法人携帯のかけ放題は、大手3社の「オプション単体の料金」で見るとほとんど差がつきません。ドコモ・au・ソフトバンクの24時間かけ放題オプションは、いずれも公式サイト上で月額1,980円(税込)です。
差が出るのは、かけ放題が「プランに含まれているか」「窓口ごとの法人向け価格が適用されるか」「そもそも自社が申し込める契約形態か」の3点です。この記事では公式情報で確認できる料金を同じ条件に揃えて比較し、通話が多い会社と個人事業主それぞれの選び方を整理します。料金は2026年8月12日時点で各社公式サイトを確認した内容です。
通話量と契約形態で、選ぶべき方向が変わります
「一番安いかけ放題」は存在しません。自社がどのルートかを先に確認してください。
外部への発信が多い
24時間かけ放題込みのプランで比較する
- 営業・配送・現場連絡が中心
- 1回の通話が5分を超えやすい
- 月45分以上発信している
1台だけ・個人事業主
申し込める窓口が限られるため先に確認する
- 従業員がいない、または少人数
- 法人登記をしていない
- 回線は1〜数台
通話が短い・少ない
かけ放題を付けない方が安く済む可能性
- 連絡はチャットやメールが中心
- 1回の通話が5分以内
- 月の発信が20分未満
法人携帯のかけ放題料金を比較
比較を正しく行うには、条件を揃える必要があります。ここでは「24時間、国内通話が定額になる仕組み」に限定し、オプションとして追加する方式と、プランに最初から含まれる方式を分けて整理しました。
方式1:既存プランにかけ放題オプションを足す
| キャリア | オプション名 | 24時間かけ放題の月額 | 5分以内かけ放題の月額 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンク(法人) | 定額オプション+/準定額オプション+ | 1,800円(税抜) | 800円(税抜) |
| ドコモ | かけ放題オプション/5分通話無料オプション | 1,980円(税込) | 880円(税込) |
| au | 通話定額2/通話定額ライト2 | 1,980円(税込) | 880円(税込) |
ソフトバンクの法人向けページは税抜表記のため、そのまま記載しています。税込に換算すると1,980円となり、3社とも同額です(出典:ソフトバンク法人向け 通話の基本プラン・オプション料金、NTTドコモビジネス 法人専用料金プラン、au 通話定額2/通話定額ライト2)。
方式2:かけ放題が最初から含まれるプランを使う
オプションを足す方式では3社に差がつかないため、実際の比較対象になるのはこちらです。かけ放題とデータ容量がセットになった法人向けプランを、公式に公開されている金額で並べます。
| サービス/プラン | 通話の扱い | データ容量 | 月額(税込) |
|---|---|---|---|
| ドコモBiz かけ放題 | 国内通話かけ放題がプランに含まれる | 2GB | 3,278円(ビジネスメンバーズ割適用後) |
| 楽天モバイル法人 音声+データ3GB | 専用アプリ経由の発信のみ無料 | 3GB | 2,178円 |
| 楽天モバイル法人 音声+データ無制限 | 専用アプリ経由の発信のみ無料 | 無制限 | 3,278円 |
| ソフトバンク法人(代理店の法人特別価格) | 24時間かけ放題がプランに含まれる | 1GB/5GB/50GB/無制限から選択 | 規約によりサイト表記不可。見積もりで確認 |
ドコモBiz かけ放題は、基本料3,553円(税込)からビジネスメンバーズ割275円(税込)を差し引いた金額です。楽天モバイル法人の金額は楽天モバイル法人向け 料金プランで公開されています。
重要:楽天モバイル法人の国内通話無料は「Rakuten Link Office」アプリを使った発信が条件です。標準の電話アプリから発信した場合は30秒22円(税込)の通話料がかかります。また0570などから始まる他社接続サービスは無料通話の対象外です。「かけ放題」と同じ感覚で運用すると、想定外の通話料が発生する可能性があります。
かけ放題を付けるべきかは「月45分」で判断できる
かけ放題が得かどうかは、通話料との単純な比較で計算できます。前提と計算式は次のとおりです。
- 国内通話料:30秒あたり22円(税込)=1分あたり44円
- 24時間かけ放題:月1,980円(税込)→ 1,980円 ÷ 44円 = 約45分
- 5分以内かけ放題:月880円(税込)→ 880円 ÷ 44円 = 約20分
つまり、月の発信が45分を超えるなら24時間かけ放題、1回5分以内の短い通話が月20分を超えるなら5分かけ放題が、料金面では有利になる計算です。この30秒22円という単価は大手3社で共通しているため、キャリアが変わっても分岐点はほぼ変わりません。
注意点:この計算はあくまで料金だけの比較です。実務では「通話料の変動をなくして予算を固定したい」という理由でかけ放題を選ぶこともあります。また、5分かけ放題は超過分に通話料がかかるため、1回の通話が長い業務では想定より高くなることがあります。
通話が多い会社ほどかけ放題が向く理由
発信量が多い業務では、通話料が月によって大きく振れます。かけ放題は「安くなること」以上に「金額が読めるようになること」が効いてきます。
| 業務タイプ | 通話の傾向 | 向いている選択 |
|---|---|---|
| 訪問営業 | 1件あたりの通話が長く、件数も多い | 24時間かけ放題 |
| 配送・ドライバー | 着荷連絡など短い発信を多数 | 5分かけ放題で足りることが多い |
| 建設・工事現場 | 現場間の調整で通話が長くなりやすい | 24時間かけ放題 |
| 店舗・予約受付 | 着信が中心で発信は少ない | かけ放題なしでも成立しやすい |
| 個人事業主(士業・コンサル等) | 顧客との打ち合わせで長時間になる | 24時間かけ放題 |
誤解しやすい「社員間通話定額」との違い
法人携帯の料金を調べていると「月330円から通話定額」といった安い金額を見かけることがあります。これは外部へのかけ放題ではありません。
auの「ビジネス通話定額」は、あらかじめ登録した社員間の通話を定額にするサービスです。定額料はau発信で月330円(税込)からとされていますが、申し込みは2番号以上1,000番号以下という条件があり、同一法人名義であることも必要です(出典:KDDI法人向け ビジネス通話定額)。
重要:社員間通話定額は、1台だけの契約では申し込めません。また取引先など社外への通話は対象外です。「安いかけ放題を見つけた」と思って比較表に並べると、条件がまったく違うものを比べることになります。
1台だけ・個人事業主が契約する場合の選び方
ここが、実は最も選択肢が絞られるポイントです。料金以前に「申し込めるかどうか」で候補が減ります。
| サービス | 1台からの契約 | 個人事業主(法人番号なし) |
|---|---|---|
| ドコモBiz かけ放題(オンラインショップ) | 可能 | 申し込み不可と公式に明記 |
| au ビジネス通話定額 | 不可(2番号以上) | 同上の台数条件が前提 |
| ソフトバンク法人(正規代理店窓口) | 可能 | みなし法人として契約可能 |
| 楽天モバイル法人 | 可能 | 申し込み時に登記事項証明書等の提出案内あり。事前確認が必要 |
特に見落とされやすいのがドコモです。NTTドコモビジネスオンラインショップのよくある質問には、法人番号がない個人事業主は申し込みができないと明記されています。開業届を提出していても、法人格を有しない「商号のみ登記」に該当する場合は個人名義での契約になるとされています(出典:NTTドコモビジネス 法人専用料金プラン よくあるご質問)。
一方ソフトバンクは、個人事業主を「みなし法人」として扱う区分を用意しています。1台からの相談に対応している正規代理店もあるため、法人登記をしていない事業者にとっては現実的な選択肢になります。詳しい条件は個人事業主でも法人携帯は契約できる?1台から申し込む方法・必要書類・メリットを解説で整理しています。
ソフトバンク法人携帯が向いているケース
この記事で紹介しているソフトバンク法人向け窓口(法人通信/アールアイ株式会社・代理店届出番号 G1902770)は、24時間かけ放題が含まれた法人向けプランを、1台から相談できる形で扱っています。以下は2026年8月12日時点の掲載内容です。
- 外部への発信が月45分を超えていて、通話料の変動を抑えたい
- 1台〜数台だけ導入したいが、法人向けの条件で契約したい
- 法人登記をしていない個人事業主で、ドコモの法人申込ができなかった
- 専用アプリを経由せず、標準の電話アプリで通話を完結させたい
- 端末もあわせて導入したい
- 発信がほとんどなく、着信対応が中心
- SIMのみ・eSIMのみで安く済ませたい(取り扱い条件が窓口ごとに異なる)
- とにかく月額の最安値を優先し、アプリ経由の発信でも問題ない
- 金額を先に確認してから検討したい(特別価格は問い合わせが前提)
月額の最安値を最優先し、専用アプリでの発信に抵抗がないのであれば、楽天モバイル法人の音声+データ3GBプラン(税込2,178円)のように、公開価格で安く収まる選択肢もあります。自社の運用に合う方を選んでください。
次に行うこと:ソフトバンクの法人特別価格は公開されていないため、比較したい場合は見積もりが必要です。かけ放題込みの法人特別価格を確認する(無料・相談のみも可)
乗り換えで電話番号はそのまま使える?
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)を使えば、番号を変えずにキャリアを移せます。ただし法人携帯の乗り換えでは、個人契約とは違う確認事項があります。
- 現在の契約名義と、移行先の契約名義が一致しているか
- 端末の分割払いが残っていないか
- 契約期間の縛りや解除料の有無
- 複数回線をまとめて移す場合の切り替え日程
先に現在の回線を解約すると番号を引き継げなくなります。手順の詳細は法人携帯を乗り換える方法|MNPで電話番号を変えずにSoftBankへ移行する手順を確認してください。
状況別の最終判断
「かけ放題の安さ」ではなく「申し込めるか」から決める
オプション料金は3社横並びです。差がつくのは契約形態と提供方式です。
24時間かけ放題込みのプランで比較する価値があります。
かけ放題を付けない方が安く済む可能性が高い状況です。
料金比較の前に、申し込める窓口かどうかを確認してください。
迷った場合に確認すること
直近3か月の請求書から「月の発信通話料」を出し、1,980円と比べてください。それだけで大半の判断がつきます。
キャリア全体の選び分けまで広げて比較したい場合は、法人携帯おすすめ比較|ドコモ・au・SoftBank・格安系はどこがいい?を参照してください。
よくある質問
- かけ放題なら通話料は一切かかりませんか?
-
国内通話でも対象外があります。国際電話や国際ローミング、0570・0180などから始まる他社が料金を設定している番号、番号案内などは無料通話の対象外です。対象外の範囲は各社の提供条件書で確認できます。
- 5分かけ放題と24時間かけ放題、どちらを選ぶべきですか?
-
1回の通話が5分を超えやすいかどうかが基準です。5分以内で終わる短い連絡が中心なら5分かけ放題、打ち合わせや調整で長くなるなら24時間かけ放題が向きます。5分かけ放題は超過分に通話料がかかるため、長い通話が混ざると割高になることがあります。
- 個人事業主でもかけ放題込みの法人プランを使えますか?
-
窓口によります。ドコモは法人番号がない個人事業主のオンライン法人申し込みを受け付けていないと公式に案内しています。ソフトバンクはみなし法人として契約できる区分があり、1台から相談できる正規代理店もあります。
- なぜソフトバンクの法人特別価格の金額が書かれていないのですか?
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法人向けの特別価格は規約上ウェブサイトに料金を掲載できないためです。当サイトでも金額は記載していません。台数・データ容量・端末・契約種別を伝えて見積もりを取る前提の料金体系です。
- 格安SIMの法人プランなら、もっと安くかけ放題にできますか?
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プラン込みの月額は下げられる場合がありますが、通話が「かけ放題」ではなく「専用アプリ経由なら無料」という方式のことがあります。標準の電話アプリから発信すると通話料がかかるため、運用ルールを守れるかどうかが判断の分かれ目になります。
まとめ
法人携帯のかけ放題は、オプション単体で見ると大手3社が横並びです。安く抑えられるかどうかは、かけ放題がプランに含まれるか、窓口ごとの法人価格が適用されるか、そして自社がその契約形態で申し込めるかで決まります。
特に個人事業主や1台だけの契約では、料金以前に申し込める窓口が限られます。まずは直近の通話料を確認し、かけ放題が必要な水準かを判断したうえで、申し込める窓口から見積もりを取ってください。
オプション料金は横並び。差がつくのは提供方式と契約形態
月45分を超えるならかけ放題、超えないなら付けない。まずはこの線引きから。
かけ放題込みのプランで比較し、代理店の法人価格も含めて見積もりを取る価値があります。
従量課金のままの方が総額を抑えられる可能性が高い状況です。
次の行動
料金・特典・適用条件は変更される場合があります。契約前に各社公式サイトで最新条件をご確認ください。

