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電波は良いのにWi-Fiが遅い!8つの原因と今すぐ試せる対処法

「Wi-Fiのアンテナは3本立っているのに、なぜか通信が遅い」という経験はありませんか?

動画を見ていると読み込みが止まる、ファイルのダウンロードに時間がかかる、ビデオ会議で映像がカクカクする…。電波は良好なはずなのに、こうした症状が出ると本当に困りますよね。

実は、Wi-Fiのアンテナ表示(電波強度)と実際の通信速度は必ずしも比例しません。電波が届いていても、さまざまな原因で速度が低下することがあるのです。

この記事では、Wi-Fiが3本立っているのに遅い8つの原因と、それぞれの具体的な対処法を解説します。今すぐ試せる方法から根本的な改善策まで、順番に紹介していきます。

目次

電波強度と通信速度の違いを理解しよう

まず、Wi-Fiのアンテナ表示と通信速度の関係について理解しておきましょう。ここを押さえておくと、なぜ電波が良いのに遅いのかがわかりやすくなります。

アンテナ表示は「電波の強さ」を示しているだけ

スマートフォンやパソコンに表示されるWi-Fiのアンテナマークは、ルーターから受け取っている電波の強さ(信号強度)を示しています。これはRSSI(Received Signal Strength Indicator)と呼ばれる指標で、単位はdBm(デシベルミリワット)です。

アンテナが3本立っている状態は、おおよそ-50dBm〜-60dBm程度の良好な電波強度を意味します。電波はしっかり届いている状態です。

通信速度は電波強度だけで決まらない

しかし、電波がしっかり届いていても、実際の通信速度は別の要因で大きく変わります。

例えるなら、電波強度は「道路がある」ことを示しているだけ。その道路が渋滞していたり、細い道だったり、信号が多かったりすれば、目的地に着くまで時間がかかりますよね。Wi-Fiの通信速度も同じで、電波の道があっても、その先にボトルネックがあれば遅くなります。

速度低下の主なボトルネック

回線自体の混雑、ルーターの処理能力、Wi-Fiチャンネルの干渉、接続台数の多さ、そもそもの契約回線速度などがあります。これらを一つずつ確認していくことで、速度低下の原因を特定できます。

Wi-Fiが3本立っているのに遅い8つの原因

電波強度は良好なのに速度が出ない場合、以下の8つの原因が考えられます。自分の環境に当てはまるものがないか、順番に確認してみてください。

原因1:Wi-Fiチャンネルの混雑・干渉

Wi-Fiは、テレビやラジオと同じように特定の周波数帯(チャンネル)を使って通信しています。マンションやアパートなど住宅密集地では、近隣のWi-Fiルーターと同じチャンネルを使っていると、電波が干渉して速度が低下します。

2.4GHz帯は特に混雑しやすい
2.4GHz帯は壁を通りやすい反面、使えるチャンネル数が少なく(実質3チャンネル程度)、電子レンジやBluetoothなど他の機器とも干渉します。夜間や休日など、周囲で一斉にWi-Fiを使う時間帯は特に影響を受けやすくなります。

原因2:2.4GHz帯を使い続けている

Wi-Fiルーターには2.4GHz帯と5GHz帯(一部の新しいルーターは6GHz帯も)があります。多くの端末は初期設定で2.4GHz帯に接続することが多いですが、2.4GHz帯は理論上の最大速度が5GHz帯より遅く、干渉も受けやすいです。

5GHz帯は障害物に弱いものの、使えるチャンネル数が多く、干渉を受けにくいという特徴があります。ルーターの近くで使っているなら、5GHz帯に切り替えるだけで速度が改善することも多いです。

原因3:接続している端末が多すぎる

家庭内でWi-Fiに接続している機器が増えると、ルーターの処理能力に負荷がかかり、一台あたりの速度が低下します。スマートフォン、タブレット、パソコン、テレビ、ゲーム機、スマート家電など、思った以上に多くの機器がつながっていることがあります。

特に、動画視聴やファイルのダウンロード、オンラインゲームなど、帯域を大きく使う機器が複数あると、他の機器の速度に影響します。

原因4:ルーターのスペック不足・古い規格

Wi-Fiルーターには世代(規格)があり、古いルーターでは最新の高速通信に対応していません。

Wi-Fi規格正式名称最大速度(理論値)周波数帯
Wi-Fi 4IEEE 802.11n600Mbps2.4GHz/5GHz
Wi-Fi 5IEEE 802.11ac6.9Gbps5GHz
Wi-Fi 6IEEE 802.11ax9.6Gbps2.4GHz/5GHz
Wi-Fi 6EIEEE 802.11ax9.6Gbps2.4GHz/5GHz/6GHz

5年以上前に購入したルーターはWi-Fi 5以前の規格の可能性があります。Wi-Fi 6以降のルーターは、複数台同時接続時の効率を高めるOFDMA(直交周波数分割多元接続)や、複数端末への同時送信を可能にするMU-MIMO(マルチユーザーMIMO)といった技術に対応しており、多台数接続時でも速度が落ちにくくなっています。

OFDMAとは?(タップして詳細を見る)

従来のWi-Fiは1台ずつ順番に通信していましたが、OFDMAでは一つの通信を複数の端末で分け合えます。少量のデータを送る機器が多くても効率よく処理できるため、スマートホーム機器が増えた現代の環境に適しています。

原因5:ルーターのファームウェアが古い

ルーターのファームウェア(内部ソフトウェア)が古いと、不具合や効率の悪い処理が改善されず、速度低下の原因になることがあります。また、セキュリティ上の問題が放置されるリスクもあります。

多くのメーカーは定期的にファームウェアの更新を提供しています。自動更新が有効になっていない場合は、手動で確認・更新する必要があります。

原因6:回線自体の混雑(プロバイダー側の問題)

Wi-Fiルーターより手前、つまりインターネット回線自体が混雑している場合もあります。これは特にマンションタイプの光回線や、ユーザー数の多いプロバイダーで起きやすい問題です。

夜間(19時〜23時頃)に特に遅くなる場合は、回線混雑の可能性が高いです。この場合、Wi-Fiルーターをいくら高性能なものに変えても改善しません。

原因7:IPv4 PPPoE接続による速度制限

日本の多くのプロバイダーでは、従来のIPv4 PPPoE方式と、新しいIPv6 IPoE方式の両方を提供しています。IPv4 PPPoEはNTTの網終端装置を経由するため、ここがボトルネックになって速度が低下することがあります。

IPv6 IPoE(DS-Lite方式やMAP-E方式など)を利用すると、この網終端装置を経由しないため、混雑時でも速度が安定しやすくなります。

原因8:端末側の問題

Wi-Fiルーターや回線に問題がなくても、接続している端末自体に原因がある場合もあります。主な原因としては以下のものがあります。

  • 端末のWi-Fi規格が古い(Wi-Fi 5非対応など)
  • バックグラウンドでアプリが通信している
  • OSやドライバーが古い
  • 端末のメモリ不足やCPU負荷が高い状態
  • VPNを使用している

同じWi-Fiに接続している他の端末は速いのに、特定の端末だけ遅い場合は、端末側の問題を疑いましょう。

今すぐ試せる7つの対処法

原因を特定するためにも、以下の対処法を上から順番に試してみてください。費用をかけずにできる方法から紹介します。

対処法1:ルーターと端末を再起動する

まずは基本中の基本ですが、ルーターと端末の再起動で改善することは意外と多いです。ルーターは電源を抜いて30秒ほど待ってから再度入れてください。

STEP
ルーターの電源を抜く

ルーター本体から電源ケーブルを抜きます。

STEP
30秒〜1分待つ

内部のキャッシュがクリアされるまで待ちます。

STEP
電源を入れ直す

電源ケーブルを差し込みます。

STEP
ランプが安定するまで待つ

2〜3分程度待ち、すべてのランプが正常に点灯するのを確認します。

STEP
端末からWi-Fiに再接続して速度を確認

スマホやPCからWi-Fiに接続し、速度が改善したか確認します。

対処法2:5GHz帯に接続する

現在2.4GHz帯に接続している場合は、5GHz帯に切り替えてみましょう。多くのルーターでは、SSIDの末尾に「-5G」や「-A」といった表記があるものが5GHz帯です。

端末のWi-Fi設定から接続先を変更してください。ただし、5GHz帯は壁や障害物に弱いため、ルーターから離れた場所では逆に速度が落ちることがあります。その場合は2.4GHz帯を使うか、ルーターの位置を見直す必要があります。

対処法3:Wi-Fiチャンネルを変更する

ルーターの設定画面からWi-Fiチャンネルを変更すると、干渉を回避できることがあります。多くのルーターは「自動」に設定されていますが、自動でうまく空いているチャンネルを選べていないこともあります。

スマートフォンアプリ「WiFi Analyzer」(Android)などを使うと、周囲で使われているチャンネルを確認できます。空いているチャンネルを手動で指定してみてください。

対処法4:ルーターの設置場所を見直す

ルーターの設置場所も速度に影響します。以下のポイントを確認してください。

  • 床に直置きせず、高い位置(1m以上)に設置する
  • 部屋の隅ではなく、なるべく中央に近い場所に置く
  • 電子レンジや水槽の近くは避ける
  • 金属製の棚の中に入れない
  • 他の電子機器と距離を取る

対処法5:ファームウェアを更新する

ルーターのファームウェアが最新か確認し、更新がある場合は適用してください。メーカーによって更新方法は異なりますが、多くの場合、ルーターの設定画面(ブラウザからアクセス)から確認できます。

Buffalo、NEC、TP-Linkなど主要メーカーの公式サイトでも、型番を入力することで最新ファームウェアを確認できます。

対処法6:接続機器を減らす・優先度を設定する

同時に接続している機器が多い場合は、使っていない機器のWi-Fiをオフにしてみてください。特に、スマート家電や監視カメラなど、常時接続している機器が多いと影響します。

一部のルーターにはQoS(Quality of Service)機能があり、特定の機器や用途(ゲーム、ビデオ通話など)に優先的に帯域を割り当てることができます。設定画面から確認してみてください。

対処法7:有線LANを併用する

速度が特に重要な機器(デスクトップPC、ゲーム機、テレビなど)は、可能であれば有線LANで接続することをおすすめします。有線接続はWi-Fiの干渉や混雑の影響を受けず、安定した高速通信が可能です。

LANケーブルはCAT6以上の規格を選ぶと、1Gbps以上の高速通信に対応できます。CAT5eでも1Gbpsに対応しますが、CAT6やCAT6Aならより安定した通信が期待できます。

根本的な改善策

上記の対処法で改善しない場合は、機器や回線自体を見直す必要があります。費用はかかりますが、根本的な解決につながります。

高性能Wi-Fiルーターに買い替える

ルーターが古い(5年以上使用している)場合や、Wi-Fi 5以前の規格の場合は、Wi-Fi 6対応の新しいルーターへの買い替えを検討してください。

選ぶ際のポイントは以下の通りです。

チェック項目おすすめの条件
Wi-Fi規格Wi-Fi 6(802.11ax)以上
アンテナ数(ストリーム数)4ストリーム以上(4×4 MIMO)
同時接続台数30台以上対応
有線LANポートギガビット(1Gbps)対応
IPv6対応DS-Lite、MAP-E対応

広い家や複数階の建物では、メッシュWi-Fiシステムも選択肢になります。複数のルーターを連携させて、家中どこでも安定した速度を実現できます。

IPv6 IPoE接続に切り替える

現在IPv4 PPPoE接続を使っている場合は、IPv6 IPoE接続に切り替えることで、夜間の混雑時でも速度が安定しやすくなります。

IPv6 IPoEへの切り替えに必要なもの
  • プロバイダーがIPv6 IPoEに対応していること
  • ルーターがIPv6 IPoE(DS-LiteまたはMAP-E)に対応していること
  • プロバイダーへの申し込み(無料の場合が多い)

契約中のプロバイダーの公式サイトで、IPv6対応状況を確認してください。すでに対応している場合は、ルーターの設定変更だけで済むこともあります。

光回線を乗り換える

回線自体の混雑が原因で、IPv6にしても改善しない場合は、光回線の乗り換えを検討してください。特に以下のような場合は、回線の乗り換えで改善する可能性があります。

  • マンションタイプ(VDSL方式)で最大100Mbpsに制限されている
  • 夜間に極端に速度が落ちる(10Mbps以下になる)
  • 契約しているプロバイダーの評判が悪い
光回線最大速度特徴
NURO光下り最大2Gbps独自回線で混雑しにくい。提供エリアは限定的。
auひかり下り最大1GbpsKDDIの独自回線。混雑に強い。
ドコモ光下り最大1GbpsNTT光コラボ。プロバイダーによって速度が異なる。

独自回線のNURO光やauひかりは、フレッツ光系(ドコモ光、ソフトバンク光など)と比べて混雑しにくい傾向があります。ただし、提供エリアが限られるため、まずは対応エリアを確認してください。

速度測定で現状を把握しよう

対処法を試す前後で速度を測定しておくと、改善効果を確認できます。また、速度の目安を知っておくことで、自分の環境が遅いのかどうか判断しやすくなります。

速度測定サイトの使い方

以下のサイトで無料で速度測定ができます。

Fast.com

Netflix提供の速度測定サイト。シンプルで使いやすい。https://fast.com/ja/

Speedtest by Ookla

世界的に有名な速度測定サイト。Ping値も測定可能。https://www.speedtest.net/

測定時の注意点
他のアプリやブラウザのタブを閉じる、他の機器でのダウンロードや動画視聴を止める、時間帯を変えて複数回測定する(朝、昼、夜など)

用途別の速度目安

用途必要な下り速度の目安
Webページ閲覧・メール1〜3Mbps
SNS・音楽ストリーミング5〜10Mbps
HD動画視聴(YouTube、Netflix)10〜25Mbps
4K動画視聴25〜50Mbps
オンラインゲーム30Mbps以上(ping値も重要)
ビデオ会議(Zoom、Teams)10〜25Mbps
大容量ファイルのダウンロード50Mbps以上推奨

契約している回線速度が1Gbps(1000Mbps)でも、Wi-Fiでは100〜300Mbps程度出れば良い方です。有線接続なら500Mbps以上出ることもありますが、理論値の1Gbpsが出ることはまずありません。

よくある質問(FAQ)

アンテナが3本でも速度が出ないのはなぜですか?

アンテナ表示は電波の強さを示しており、通信速度とは別物です。電波が届いていても、回線の混雑、ルーターの性能、Wi-Fiチャンネルの干渉など、さまざまな要因で速度は変わります。

2.4GHzと5GHzのどちらを使えばいいですか?

ルーターに近い場所では5GHzがおすすめです。5GHzは干渉を受けにくく高速です。ただし壁や障害物に弱いため、ルーターから離れた部屋では2.4GHzの方が安定することもあります。

ルーターは何年くらいで買い替えるべきですか?

目安として4〜5年です。Wi-Fiの規格は進化しており、Wi-Fi 6以降のルーターは複数台接続時の性能が大きく向上しています。5年以上使っているルーターは買い替えを検討してください。

IPv6にすると速くなりますか?

多くの場合、改善します。特に夜間に遅くなる場合はIPv6 IPoE接続にすることで、混雑するポイントを回避できます。ただし、プロバイダーとルーターの両方が対応している必要があります。

メッシュWi-Fiとは何ですか?

複数のWi-Fiルーター(ノード)を連携させて、家全体を一つのWi-Fiネットワークでカバーするシステムです。広い家や複数階の建物で、どこにいても安定した速度を実現できます。

有線LANにすれば必ず速くなりますか?

Wi-Fiの干渉や混雑が原因の場合は改善します。ただし、回線自体が混雑している場合は有線でも速度は上がりません。まずは有線で測定して、回線の実力を確認するのがおすすめです。

回線速度の「理論値」と「実測値」の違いは?

理論値は技術的な最大速度で、「ベストエフォート」とも呼ばれます。実測値は実際に出る速度で、環境によって大きく異なります。光回線1Gbps契約でも、実測で100〜300Mbps程度出れば標準的です。

まとめ

Wi-Fiのアンテナが3本立っているのに遅いのは、電波強度と通信速度が別物だからです。この記事のポイントをまとめると以下の通りになります。

この記事のまとめ
  • 電波強度(アンテナ表示)は電波が届いているかの指標であり、速度を保証するものではない
  • 速度低下の原因は、チャンネル干渉、2.4GHz帯の使用、接続台数の多さ、ルーターの性能不足、回線混雑などさまざま
  • まずは5GHz帯への切り替え、ルーター再起動、チャンネル変更など費用のかからない対策から試す
  • 改善しない場合は、Wi-Fi 6ルーターへの買い替え、IPv6 IPoEへの切り替え、光回線の乗り換えを検討する

原因を一つずつ確認していけば、多くの場合は改善できます。この記事で紹介した対処法を順番に試して、快適なWi-Fi環境を手に入れてください。

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