「2026年4月から携帯契約にマイナンバーカードが必須になる」というニュースを耳にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
「マイナンバーカードを持っていないけど、携帯の機種変更や乗り換えはできなくなるの?」「運転免許証だけでは契約できないの?」といった疑問の声がSNSでも増えています。
結論から言うと、2026年4月以降も「対面契約」であれば運転免許証のICチップ読み取りで本人確認が可能です。ただし、オンライン契約では原則としてマイナンバーカードが必須となります。
この記事では、2026年4月施行予定の携帯電話不正利用防止法改正の内容を分かりやすく解説し、「オンライン契約」と「対面契約」で何が変わるのか、マイナンバーカードを持っていない場合の対処法まで、初心者の方にも分かりやすくお伝えします。
この記事で分かること
・2026年4月からの本人確認ルール変更の全体像
・オンライン契約と対面契約の違い
・運転免許証のみでOKな条件
・マイナンバーカードを持っていない場合の対処法
・今すぐ準備しておくべきこと
なぜ携帯契約の本人確認が厳格化されるのか?改正の背景
まず、なぜこのような改正が行われるのか、その背景を理解しておきましょう。制度変更の理由を知ることで、今後の対応も見えてきます。
偽造身分証による不正契約が急増
近年、特殊詐欺や「闘犯罪」に使用される携帯電話の多くが、偽造された身分証明書を使って不正に契約されたものであることが判明しています。
河野太郎前デジタル大臣のブログによると、特殊詐欺に悪用された携帯電話回線619回線のうち、偽造された本人確認書類で契約されたものが419回線と、実に約7割にのぼっています。
従来の本人確認方法では、店員が運転免許証などの券面を目視で確認していましたが、精巧に偽造された書類を見破ることが困難になっています。また、オンライン契約で使われていた「書類の撮影画像をアップロードする方法」も、画像編集技術の向上により偽造リスクが高まっていました。
「携帯電話不正利用防止法」の改正とは
こうした状況を受け、政府は「携帯電話不正利用防止法(正式名称:携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)」の改正を進めています。
2023年6月9日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、以下の方針が示されました。
「非対面の本人確認手法は、マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化し、運転免許証等を送信する方法や、顔写真のない本人確認書類等は廃止する。対面でも公的個人認証による本人確認を進めるなどし、本人確認書類のコピーは取らないこととする。」
この方針に基づき、2025年1月には省令改正案のパブリックコメント(意見募集)が行われ、2026年4月1日の施行に向けて準備が進んでいます。
2026年4月から何が変わる?オンラインと対面の違いを解説
今回の改正で最も重要なポイントは、「オンライン契約」と「対面契約(店舗)」で本人確認の方法が異なるということです。
SNSやニュースでは「マイナンバーカードが必須になる」と報じられていますが、正確には「オンライン契約では原則必須」「対面契約では運転免許証のICチップ読み取りも可能」という違いがあります。
【オンライン契約】マイナンバーカードが原則必須に
オンラインショップやWebサイトから携帯電話を契約する「非対面契約」では、以下の変更が行われます。
- 本人の顔写真+運転免許証などの撮影画像をアップロードする方法(eKYCの「ハ」方式)
- 本人確認書類のコピー(写し)を送付し、転送不要郵便で届ける方法(「ヘ」方式)
- 顔写真のない書類(健康保険証など)での非対面確認(一部例外あり)
これらの方法が廃止される理由は、撮影画像や書類のコピーでは偽造を見破ることが困難だからです。
- マイナンバーカードのICチップ読み取り+顔写真撮影(公的個人認証サービス:JPKI)
- マイナンバーカードのICチップ読み取り+転送不要郵便
- 電子署名(公的個人認証)による方法
つまり、オンラインで携帯契約を完結させたい場合は、マイナンバーカードが原則として必須になります。
マイナンバーカードのICチップには偽造が困難な電子証明書が記録されており、専用アプリでICチップを読み取り、暗証番号を入力することで、高いセキュリティで本人確認ができます。
【対面契約(店舗)】運転免許証のICチップ読み取りも可能
一方、携帯ショップなどの店舗で対面で契約する場合は、当面の間、運転免許証のICチップ読み取りでも本人確認が可能とされています。
ただし、重要なのは「券面の目視確認」だけではなく「ICチップの読み取り」が必要になるという点です。
- マイナンバーカード(ICチップ読み取り+暗証番号入力)
- 運転免許証(ICチップ読み取り+暗証番号入力)
- 在留カード(ICチップ読み取り)
注意:運転免許証のICチップ読み取りには、免許証取得時に設定した「暗証番号(4桁×2つ)」が必要です。暗証番号を忘れた場合は、運転免許センターや警察署で再設定の手続きが必要になります。
オンラインと対面の違いを比較表で確認
2026年4月以降の本人確認方法を、オンラインと対面で比較してみましょう。
| 項目 | オンライン契約 | 対面契約(店舗) |
|---|---|---|
| マイナンバーカード | ◎ 原則必須 | ○ 利用可能 |
| 運転免許証 | ✕ 使用不可 | ○ ICチップ読み取りで可能 |
| 在留カード | △ 条件付き | ○ ICチップ読み取りで可能 |
| 健康保険証 | ✕ 使用不可 | ✕ 原則使用不可 |
| パスポート | ✕ 使用不可 | △ 今後検討中 |
| 暗証番号 | 必要 | 必要 |
この表から分かるように、対面契約であれば運転免許証でも契約可能ですが、オンライン契約を希望する場合はマイナンバーカードの準備が必要です。
免許証のみで携帯契約できる条件と注意点
「マイナンバーカードを持っていないけど、携帯の乗り換えや機種変更をしたい」という方のために、運転免許証のみで契約できる条件と注意点を整理します。
免許証のみでOKな3つの条件
2026年4月以降、運転免許証のみで携帯契約をするためには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップ、楽天モバイルショップ、家電量販店の携帯コーナーなど、スタッフと対面で手続きを行う店舗で契約する必要があります。オンラインショップでの契約は不可となります。
2007年以降に発行された運転免許証にはICチップが搭載されています。カード表面に「ICチップ」の記載がなくても、金色のICチップ部分(接触型ではなく内蔵型)があれば対応しています。2007年以前の古い免許証をお持ちの方は、更新時にICチップ搭載のものに切り替わっています。
運転免許証のICチップには、取得・更新時に設定した4桁の暗証番号が2つ(暗証番号1・暗証番号2)登録されています。店舗での本人確認時にこの暗証番号の入力が求められます。
免許証の暗証番号を忘れた場合の対処法
運転免許証の暗証番号を忘れてしまった場合、電話やオンラインでの確認・再設定はできません。以下の方法で対応する必要があります。
- 運転免許センターに行く:本人確認書類と運転免許証を持参し、暗証番号の照会または再設定ができます
- 最寄りの警察署に行く:免許証の暗証番号照会が可能な警察署もあります(事前に電話で確認推奨)
- 免許更新時に再設定する:次回の免許更新時に新しい暗証番号を設定できます
免許証がない・持っていない場合はどうする?
運転免許証を持っていない方は、以下の選択肢があります。
- マイナンバーカードを取得する
-
最も確実な方法です。オンライン・対面どちらの契約にも使えます。申請から受け取りまで通常1か月程度かかりますが、「特急発行制度」を利用すれば最短1週間程度で届くケースもあります。
- 在留カードを使う(外国籍の方)
-
外国籍の方は在留カードのICチップ読み取りで本人確認が可能です。対面契約で利用できます。
- 住民票の写し(原本)+転送不要郵便
-
マイナンバーカードも免許証も持っていない場合の代替手段として、住民票の写し(原本)を提出し、契約書類を転送不要郵便で受け取る方法が残されています。ただし、手続きに時間がかかります。
マイナンバーカードを持っていない場合の対処法
「マイナンバーカードを作るのは面倒」「個人情報が心配」という理由でカードを持っていない方も多いでしょう。ここでは、マイナンバーカードを持っていない場合の具体的な対処法を紹介します。
対処法1:2026年3月末までにオンラインで契約を済ませる
改正法の施行は2026年4月1日の予定です。それまでは従来の方法(顔写真+免許証撮影のアップロード)でオンライン契約ができます。
「近いうちに機種変更や乗り換えを考えている」という方は、2026年3月末までに手続きを済ませることで、マイナンバーカードなしでもオンライン契約が可能です。
ただし、2026年4月以降に再度契約変更や新規契約をする際は新ルールが適用されます。長期的にはマイナンバーカードの取得を検討することをおすすめします。
対処法2:店舗で対面契約をする(運転免許証でOK)
前述の通り、2026年4月以降も店舗での対面契約であれば、運転免許証のICチップ読み取りで本人確認が可能です。
オンライン契約に比べると手間はかかりますが、店舗スタッフに相談しながら最適なプランを選べるメリットもあります。
- 運転免許証(ICチップ搭載のもの)
- 免許証の暗証番号(4桁×2つ)をメモしておく
- クレジットカードまたはキャッシュカード(支払い方法登録用)
- 乗り換えの場合はMNP予約番号(事前に取得)
対処法3:マイナンバーカードを取得する
長期的に見ると、マイナンバーカードを取得しておくことが最も安心です。携帯契約だけでなく、今後は銀行口座の開設や各種行政手続きでもマイナンバーカードの利用が広がる見込みです。
マイナンバーカードの申請方法
スマホから申請、パソコンから申請、郵便で申請、証明写真機から申請、市区町村窓口で申請の5つの方法があります。スマホ申請が最も手軽で、顔写真もその場で撮影できます。
申請後、審査を経て概ね1か月程度でカードが発行されます。市区町村から「交付通知書」がハガキで届きます。
交付通知書、本人確認書類、通知カード(お持ちの場合)を持って、指定の窓口で受け取ります。この際に暗証番号(4桁の数字と、6〜16桁の英数字)を設定します。
特急発行制度で最短1週間
2024年12月2日より、「特急発行・交付制度」がスタートしています。紛失や盗難でカードを再発行する場合など、一定の条件を満たせば、原則1週間程度で自宅にカードが届きます。
「急いでマイナンバーカードが必要」という方は、市区町村窓口で特急発行の対象になるか確認してみてください。
今すぐ確認・準備しておくべき5つのこと
2026年4月の施行まで時間があるとはいえ、直前になって慌てないために、今から準備できることを整理しておきましょう。
1. 運転免許証の暗証番号を確認する
運転免許証の暗証番号は、免許更新時に設定したものです。多くの方が忘れていることが多いため、事前に確認しておくことをおすすめします。
暗証番号が分からない場合は、運転免許センターや警察署で確認できます。ただし、手続きには時間がかかる場合があるため、余裕を持って対応しましょう。
2. マイナンバーカードの取得を検討する
オンラインでの契約を希望する方、将来的に便利に使いたい方は、早めにマイナンバーカードを取得しておくことをおすすめします。申請から受け取りまで1か月程度かかるため、余裕を持って準備しましょう。
3. マイナンバーカードの暗証番号を確認する
すでにマイナンバーカードをお持ちの方は、以下の暗証番号を覚えているか確認してください。
- 署名用電子証明書の暗証番号
-
6〜16桁の英数字。オンライン契約時のJPKI認証で使用します。5回連続で間違えるとロックされます。
- 利用者証明用電子証明書の暗証番号
-
4桁の数字。対面契約やマイナポータルログイン時に使用します。3回連続で間違えるとロックされます。
暗証番号を忘れた場合やロックされた場合は、市区町村窓口で再設定が必要です。
4. 契約予定がある場合は2026年3月末までに検討する
「そろそろ機種変更したい」「他社に乗り換えたい」という方は、2026年3月末までに手続きを済ませることで、従来の方法でオンライン契約ができます。
ただし、施行直前は駆け込み需要で混雑する可能性があるため、余裕を持った計画をおすすめします。
5. スマホのNFC機能を確認する
マイナンバーカードのICチップ読み取りには、スマホのNFC(近距離無線通信)機能を使います。お使いのスマホがNFCに対応しているか、設定でNFCがオンになっているか確認しておきましょう。
多くのiPhone(iPhone 7以降)やAndroidスマホはNFCに対応していますが、一部の格安スマホでは非対応の機種もあります。
よくある質問(FAQ)
- 2026年4月からマイナンバーカードがないと携帯契約できなくなりますか?
-
いいえ、完全に契約できなくなるわけではありません。オンライン契約では原則マイナンバーカードが必須となりますが、店舗での対面契約であれば運転免許証のICチップ読み取りでも本人確認ができます。ただし、暗証番号の入力が必要です。
- 運転免許証だけで携帯契約するには何が必要ですか?
-
店舗での対面契約であることが前提です。ICチップ搭載の運転免許証と、免許証取得・更新時に設定した暗証番号(4桁×2つ)が必要です。暗証番号を忘れている場合は、事前に運転免許センターや警察署で確認しておく必要があります。
- 健康保険証は本人確認に使えなくなりますか?
-
2026年4月以降、携帯契約の本人確認では健康保険証は原則として使用できなくなります。これは、健康保険証にはICチップが搭載されておらず、偽造の検証が困難なためです。マイナンバーカードや運転免許証をご準備ください。
- マイナンバーカードの申請から受け取りまでどのくらいかかりますか?
-
通常、申請から約1か月程度で交付通知書が届きます。その後、市区町村窓口で受け取る必要があります。特急発行制度を利用できる場合は、最短1週間程度で届くケースもあります。余裕を持って申請することをおすすめします。
- 格安SIM(MVNO)も同じルールが適用されますか?
-
はい、音声通話SIMを提供する格安SIM事業者(MVNO)も携帯電話不正利用防止法の対象となるため、同じルールが適用されます。大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)だけでなく、IIJmio、mineo、UQモバイル、Y!mobileなど、すべての音声通話サービス事業者が対象です。
- 機種変更でも新しいルールが適用されますか?
-
はい、機種変更の際も本人確認が必要な場合は新しいルールが適用されます。特に、契約者情報の変更を伴う場合や、一定期間経過後の機種変更では本人確認が求められます。具体的な条件は各キャリアの公式サイトでご確認ください。
- データ専用SIMも同じルールですか?
-
携帯電話不正利用防止法は「携帯音声通信」を対象としているため、音声通話ができないデータ専用SIMは今回の改正の直接的な対象外です。ただし、事業者によっては同様の本人確認を求める場合もあるため、契約前に確認することをおすすめします。
まとめ:2026年4月までに準備しておこう
2026年4月から施行予定の携帯電話不正利用防止法改正について、重要なポイントをまとめます。
- オンライン契約では、原則としてマイナンバーカードのICチップ読み取りが必須になる
- 対面契約(店舗)では、運転免許証のICチップ読み取り+暗証番号でも契約可能
- 運転免許証の暗証番号を忘れている方は、事前に確認・再設定しておく
- マイナンバーカードは申請から受け取りまで約1か月かかるため、早めの準備がおすすめ
- 2026年3月末までであれば、従来の方法でオンライン契約が可能
今回の改正は、特殊詐欺や不正契約を防ぐための重要な施策です。一見すると手続きが面倒になるように思えますが、私たちの安全を守るためのセキュリティ強化であることを理解しておきましょう。
施行直前になって慌てないためにも、今のうちに運転免許証の暗証番号の確認や、マイナンバーカードの取得を検討してみてください。
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