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バックボーンとは?ネット回線の速度に関わる仕組みを初心者向けにわかりやすく解説

この記事の結論

バックボーンとは、通信事業者が運用する大容量・高速の基幹ネットワークのこと。光回線(アクセスネットワーク)の上位に位置し、インターネットの「背骨」として全国・世界をつなぐ通信網です。回線速度はバックボーンだけでなく、接続方式(PPPoE/IPoE)・ISP間接続・自宅のLAN環境など複数の要素で決まります。

「バックボーンが大容量だから速い」ってよく見かけるけど、実際どういう意味なんだろう?この記事では、初心者の方でもわかるように通信の全体像から丁寧に解説していきます!

「バックボーン」という言葉を、光回線の比較サイトやプロバイダの公式ページで見かけたことはないでしょうか。「バックボーンが大容量だから速い」「バックボーンの混雑で遅くなる」といった表現を目にしても、具体的に何を指しているのかピンとこない方は少なくありません。

この記事では、バックボーンとは何か、なぜ回線速度に影響するのか、そしてインターネット全体の通信がどのような仕組みで成り立っているのかを、初心者の方にもわかるように丁寧に解説します。光回線の契約を検討している方や、今の回線速度に不満を感じている方にとって、通信の全体像をつかむ手がかりになるはずです。

目次

バックボーンとは何か──インターネットの「高速道路」

まず「バックボーン」の基本から押さえましょう。身近なたとえを使って説明しますね。

バックボーン(Backbone)とは、通信事業者が構築・運用している大容量・高速の基幹ネットワークのことです。英語で「背骨」を意味するこの言葉は、インターネットを支える根幹にあたる通信網であることを端的に表しています。別名「コアネットワーク」とも呼ばれます。

身近なたとえで考えてみましょう。自宅の前の道路が「光回線」だとすると、バックボーンは都市と都市を結ぶ高速道路のようなものです。自宅から出たデータは、まず「自宅の前の道路」にあたるアクセス回線を通り、最寄りのインターチェンジ(収容局)に入ります。そこからバックボーンという高速道路に乗り、目的のサーバーがある場所まで運ばれていきます。

どれほど自宅前の道路が広くても、高速道路の車線が少なかったり渋滞していたりすれば、目的地には速くたどり着けません。逆に、高速道路が十分に整備されていても、自宅前の道路が狭ければスムーズに走り出せません。インターネットの速度は、アクセス回線とバックボーンの両方がそろって初めて快適になるのです。

インターネットの全体像──3つの階層で理解する

データが自宅からインターネットに届くまで、通信は大きく3つの階層を通過します。ここを理解すると、バックボーンの位置づけがはっきり見えてきますよ。

LAN(ローカルエリアネットワーク)

自宅やオフィスなど、狭い範囲で使われるネットワークです。Wi-Fiルーターと各端末をつなぐ無線LAN、あるいはLANケーブルで直接つなぐ有線LANがこれにあたります。「Local Area Network」の頭文字をとってLANと呼ばれ、私たちがもっとも身近に触れる通信の入口です。

アクセスネットワーク

自宅やオフィスと、通信事業者の設備(収容局)を結ぶネットワークです。一般家庭で契約する光回線がこのアクセスネットワークに該当します。光ファイバーのほか、CATV回線、モバイル回線(4G/5G)、衛星回線なども含まれます。「ラストワンマイル」とも呼ばれ、最終的にユーザーの手元まで通信を届ける区間です。

バックボーンネットワーク

アクセスネットワークの上位に位置する基幹通信網です。収容局に届いたデータは、ここからプロバイダ(ISP)のコアネットワークに入り、さらに他のISPやコンテンツ事業者のネットワークへと転送されます。全国の主要都市を結ぶ大容量回線が網の目のように張り巡らされており、これがインターネットの「背骨」として機能しています。

データの流れまとめ

自宅のLAN → アクセスネットワーク(光回線)→ 収容局 → バックボーン → 目的地のサーバー
帰りのデータも同じ経路を逆にたどります。

バックボーンを支える3つの技術レイヤー

バックボーンは単一の技術でできているわけではありません。役割の異なる3つの技術レイヤー(層)が重なり合うことで、大量の通信を安定的に運んでいます。

光ファイバーネットワーク──通信の「道」そのもの

地中や海底に敷設された光ファイバーケーブルは、バックボーンの物理的な土台です。一度敷設したルートは簡単には引き直せないため、将来のトラフィック増加を見据えて「どこに・どのように通すか」が慎重に計画されます。たとえ話の高速道路でいえば、「どの都市とどの都市を結ぶ道路を建設するか」という段階にあたります。

光ファイバーの中では、光信号が電気信号に比べてはるかに高速・大容量で伝送されます。減衰が少なく長距離を走れることも大きな特長で、全国規模の通信を支えるうえで欠かせないインフラです。

伝送ネットワーク──光ファイバーの容量を最大化する仕組み

光ファイバーという「道」の上で、どれだけ多くのデータを効率よく運ぶかを設計するのが伝送ネットワークです。代表的な技術にDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing=高密度波長分割多重)があり、1本の光ファイバーの中に波長の異なる複数の光信号を重ねて流すことで、物理的なケーブルを増やさずに通信容量を飛躍的に拡大できます。

たとえ話でいえば、既存の高速道路の車線数を増やしたり、制限速度を引き上げたりする作業に近いものです。長距離でも信号品質を維持するための増幅器(アンプ)や、障害時に自動的に経路を切り替える仕組みも、この伝送ネットワークの中に組み込まれています。

IPネットワーク──データの行き先を決める「交通整理」

IPネットワークは、届いたデータを「どの経路で」「どこへ」送るかを制御する層です。ルーターと呼ばれる機器が、通信の混み具合や宛先に応じて最適な経路を選び、トラフィックを分散させます。単なる道案内にとどまらず、混雑を回避するための経路変更や、障害時の迂回処理など、通信品質を左右する重要な判断を担っています。

3つのレイヤーまとめ
  • 光ファイバーネットワーク:物理的な「道」を敷設する
  • 伝送ネットワーク:道の上でデータを効率よく大量に運ぶ
  • IPネットワーク:データの行き先を決めて交通整理する

ISPの階層構造──Tier1・Tier2・Tier3とは

バックボーンの仕組みをさらに深く理解するために、ISP(インターネットサービスプロバイダ)の階層構造を知っておくと役立ちます。

世界中のISPは、おおまかに3つの階層(ティア)に分けて語られることが多いです。

階層役割特徴日本での代表例
Tier1
基幹網プロバイダ
世界規模のバックボーンを自社で保有他のTier1と対等な無償ピアリング。世界中への通信経路を自前で確保NTTコミュニケーションズ
Tier2
地域大手プロバイダ
国・地域内の主要プレイヤーTier1からトランジットを購入しつつ、他のTier2とピアリングも実施KDDI、ソフトバンクなど
Tier3
小規模・アクセスプロバイダ
エンドユーザーに直接サービスを提供Tier2からトランジットを購入。地域ISPや光コラボ事業者が該当So-net、BIGLOBEなど

この階層構造の意義は、各ティアが役割を分担することで、巨大なインターネットが効率的に運用されている点にあります。Tier1同士の無償ピアリングにより国際通信のコストが抑えられ、Tier2・Tier3がそれぞれの地域でユーザーとの接点を担うことで、世界中に通信が行き渡る仕組みが成り立っています。

ピアリング・トランジット・IX──ISP同士はどうつながるのか

ISP同士がデータをやり取りする方法には、大きく分けて「ピアリング」と「トランジット」の2種類があります。この2つの仕組みが、インターネットの「つながり方」の根幹を成しています。

ピアリング(Peering)

2つのISPが対等な立場で直接接続し、相互にトラフィックを交換する方法です。基本的に料金の授受は発生しません。同じ規模のISP同士が「お互いのユーザー向けの通信を直接やり取りしたほうが効率的だ」と判断したときに成立します。

ピアリングには、2者間で専用線を引いて直接つなぐ「プライベートピアリング」と、後述するIXを介して接続する「パブリックピアリング」の2種類があります。

トランジット(Transit)

下位のISPが上位のISPに対して料金を支払い、インターネット全体への通信経路を提供してもらう方法です。たとえばTier3のISPがTier1のISPにトランジット料金を支払うことで、世界中のあらゆるネットワークにデータを届けられるようになります。月額固定や転送量に応じた従量課金が一般的です。

IX(インターネットエクスチェンジ)

IX(Internet Exchange)は、複数のISPやコンテンツ事業者が一箇所に集まり、中立的な立場でトラフィックを交換する接続拠点です。日本国内ではJPNAP(NTTコミュニケーションズ運営)やJPIX(インターネットマルチフィード運営)、BBIX(ソフトバンク系)などが代表的なIXとして知られています。

IXが存在することで、個々のISPが他のすべてのISPと個別に回線を引く必要がなくなり、効率的にピアリングが行えます。結果として通信経路が短くなり、遅延の低減やコスト削減にもつながります。

近年はNetflixやGoogleのような大規模コンテンツ事業者が、ISPのネットワーク内にキャッシュサーバーを設置したり、IXで直接ピアリングを行ったりするケースが増えています。こうした動きにより、データがバックボーン上を長距離移動せずにユーザーに届く場面も増えており、インターネットの接続構造は従来の単純な階層型から徐々に変化しています。

NTT東西のバックボーン「NGN」とは

日本で光回線を利用するうえで避けて通れないのが、NTT東日本・NTT西日本が運用する「NGN」です。フレッツ光や楽天ひかりなどの光コラボレーションサービスは、このNGNを基盤として提供されています。

NGN(Next Generation Network)は2008年に商用サービスが開始されたIP(インターネットプロトコル)ベースの通信ネットワークで、従来のアナログ電話網に代わる次世代の基幹インフラとして整備されました。音声通話・データ通信・映像配信といった異なる種類の通信を、1つのネットワーク上で統合的に処理できることが大きな特徴です。

NGNには、ユーザーの通信をインターネットへ中継するための「網終端装置(NTE)」と呼ばれる設備があります。この網終端装置を経由してISPのネットワークに接続される仕組みですが、接続方式によって通信の流れ方が異なります。

PPPoE方式

✅ 従来型の認証方式

⚠️ 網終端装置を経由 → 混雑しやすい

📐 MTU:約1,454バイト

VS

IPoE方式

✅ 新しい接続方式

✅ 網終端装置を回避 → 混雑に強い

📐 MTU:約1,460バイト

PPPoE方式

PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)は、ユーザー名とパスワードによる認証を経てISPに接続する従来型の方式です。通信はNGN上の網終端装置を経由してISPへ抜けていきますが、この網終端装置に通信が集中するとボトルネックになりやすいという課題があります。夜間や休日など利用者が増える時間帯に速度が落ちやすい原因の一つがこの網終端装置の混雑です。また、PPPoEではデータに付加されるヘッダが大きいため、1回の通信で送れるデータの上限(MTU)が約1,454バイトとやや小さくなります。

IPoE方式

IPoE(IP over Ethernet)は、網終端装置を介さずにNGNから直接ISPのネットワークへ接続する方式です。認証処理が簡素化されるため、PPPoEのボトルネックとなっていた箇所を回避でき、混雑時でも比較的安定した速度を得られやすいとされています。MTUも約1,460バイトとPPPoEよりわずかに大きく、通信効率の面でもわずかな優位があります。

IPoEは本来IPv6の通信を前提に設計された方式ですが、MAP-EやDS-Liteといった技術を利用することで、IPv6の通信経路の上でIPv4の通信も同時に行えるようになっています(IPv4 over IPv6)。楽天ひかりではこの仕組みを「クロスパス」という名称で提供しています。

回線事業者やプロバイダの選び方だけでなく、PPPoEとIPoEのどちらの接続方式を使っているかによっても、体感速度は大きく変わり得るということを知っておくと、回線の見直し時に役立ちます。

VNE──IPv6接続の橋渡し役

IPoE方式でのIPv6接続を語るうえで欠かせないのが、VNE(Virtual Network Enabler)と呼ばれる事業者の存在です。

VNEとは、NTT東西のNGNとISPの間に入り、IPv6インターネット接続を技術的に仲介する事業者のことです。ISPが自前でNGNとの接続設備を用意しなくても、VNEのネットワークを経由することでIPoE方式のIPv6接続をエンドユーザーに提供できるようになります。

日本の代表的なVNE事業者
  • JPNE(日本ネットワークイネイブラー)── v6プラス
  • BBIX(ソフトバンク系)── IPv6高速ハイブリッド
  • アルテリア・ネットワークス ── クロスパス(楽天ひかりが採用)

VNEという存在がIPv6接続の普及を後押ししたことで、多くの光コラボレーションサービスがIPoE方式を導入し、PPPoEの混雑問題を解消する手段としてユーザーに提供できるようになりました。

バックボーンが速度に影響するメカニズム

ここまでの知識を踏まえると、「バックボーンの状況がインターネットの速度にどう影響するのか」がより具体的に理解できます。速度低下が起きる主な要因を整理しますね。

バックボーン自体の帯域不足

ISPのバックボーン回線の帯域(容量)が利用者の通信量に対して不足すると、トラフィックがさばききれず速度が低下します。動画配信の普及やクラウドサービスの拡大により、トラフィック量は年々増加しています。総務省の帯域制御ガイドラインでも、「トラフィック増加に対してはバックボーン設備の増強が基本」とされており、帯域制御はあくまで例外的措置と位置づけられています。バックボーンの増強にどれだけ投資しているかはISPごとに異なり、これが各社のサービス品質の差として現れることがあります。

ISP間の相互接続ポイントでの混雑

IXやピアリングポイントでの接続帯域が不足すると、ISP間のデータの受け渡しに時間がかかり、遅延が増えます。特に、特定のISPと別のISPの間で大量のトラフィックが集中する場合に顕著です。

網終端装置(NTE)の混雑

前述のとおり、PPPoE方式ではNGN上の網終端装置に通信が集中し、ここがボトルネックになることがあります。IPoE方式への切り替えでこの問題は軽減できますが、IPoE側にも処理能力の上限は存在するため、完全に混雑がなくなるわけではありません。

アクセスネットワーク側の制約

バックボーンとは別に、マンションの共用設備でVDSL(電話回線利用の方式)が使われている場合は、物理的な上限が100Mbps程度に制限されるため、バックボーンがどれほど高速でも恩恵を受けにくくなります。また、古い規格のLANケーブル(Cat5以前)や、Wi-Fiルーターの性能不足も、アクセスネットワーク側のボトルネックとなります。

時間帯による混雑

平日の夜間(20時〜23時頃)や休日は利用者が増え、バックボーンやアクセスネットワークの各所で通信が混み合います。これはISP側が設備を増強しない限り根本的には解消しにくい問題であり、利用者側ではIPoE方式への切り替えや、Wi-Fiルーターの見直しといった対策で影響を軽減する方法が一般的です。

速度低下の主な原因まとめ
  • バックボーン自体の帯域不足
  • ISP間の相互接続ポイントでの混雑
  • 網終端装置(NTE)の混雑(PPPoE方式)
  • VDSL・古いLANケーブル・ルーター性能不足
  • 夜間・休日の時間帯混雑

輻輳(ふくそう)──通信が渋滞する仕組み

速度低下の原因を語る際によく使われる専門用語に「輻輳(ふくそう)」があります。これは、ネットワーク上の特定のポイントに通信量が集中し、処理能力を超えてしまう状態を指します。道路の渋滞に近い現象で、英語では「congestion」と表現されます。

輻輳が発生すると、データの転送に待ち時間(遅延)が生じたり、処理しきれないデータが破棄(パケットロス)されたりします。動画の再生が止まる、Webページの読み込みが遅い、オンラインゲームの操作が反映されないといった症状は、多くの場合この輻輳が原因です。

輻輳が起きやすいポイントは、網終端装置、ISP間の相互接続ポイント、バックボーンの特定区間、マンション共用部の集線装置など複数存在します。どこで輻輳が起きているかによって、有効な対処法も変わってきます。

バックボーンの進化と今後の展望

バックボーンは常に進化を続けています。ここでは、今後注目される技術動向を紹介します。

400Gbps級バックボーンの普及

ISPのバックボーンでは、100Gbps対応のインターフェースを複数束ねて帯域を確保する構成が主流になっていますが、近年では400Gbps対応機器の導入が進みつつあります。日経クロステック(2025年11月報道)によれば、ISPバックボーンの基幹インターフェースは100Gbpsから400Gbpsへの移行期にあり、さらなる大容量化が見込まれています。

オールフォトニクスネットワーク(IOWN構想)

NTTが推進するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の中核技術が「オールフォトニクスネットワーク」です。現在のバックボーンでは、光ファイバーで運ばれた光信号をルーターなどの機器で一度電気信号に変換して処理し、再び光信号に戻して送り出しています。この光→電気→光の変換が、電力消費や遅延の原因になっています。

オールフォトニクスネットワークでは、この変換を極力排除し、エンドツーエンドで光のまま処理する技術の実現を目指しています。

IOWN構想の目標値(NTT発表)
  • 電力効率:従来比100倍
  • 伝送容量:従来比125倍
  • 遅延:従来比1/200

※これらはあくまで構想段階の目標であり、実用化には段階を踏む必要があります。

5G FMC(Fixed Mobile Convergence)

5Gの普及に伴い、モバイル通信と固定通信(光回線)のコアネットワークを統合して効率化しようという動きがあります。これが5G FMC(Fixed Mobile Convergence)と呼ばれる概念です。

5Gのサービス要件であるeMBB(超高速)、URLLC(超低遅延)、mMTC(多数同時接続)を実現するには、モバイルのバックホール(基地局とコアネットワークをつなぐ部分)にも大容量の光回線が不可欠です。固定とモバイルのコア設備を共用することで、投資効率の向上や、両者の長所を活かした柔軟なサービス設計が期待されています。

海底ケーブルの増強

国際通信の大部分は海底に敷設された光ファイバーケーブルに依存しています。AIやクラウドサービスの利用拡大に伴い、国際通信トラフィックは急増しており、日本でも複数の海底ケーブルプロジェクトへの参画が進められています。海底ケーブルの増強は、国内のバックボーンと海外のネットワークをつなぐ「国際バックボーン」の信頼性と容量を高める取り組みとして重要です。

自宅の通信速度を改善するためにできること

バックボーンそのものはISP側のインフラなので、利用者が直接手を加えることはできません。でも、仕組みを理解したうえでできる改善策はしっかりありますよ!

STEP
接続方式を確認する

PPPoE方式で接続している場合は、IPoE(IPv6)方式に切り替えましょう。網終端装置の混雑を回避でき、速度改善が期待できます。プロバイダの管理画面やサポートページで現在の接続方式を確認してください。IPoEで接続するにはIPv6対応のルーターが必要です。

STEP
LANケーブルの規格を確認する

Cat5(100Mbps上限)のケーブルを使っていると、光回線の性能を活かしきれません。Cat5e以上(1Gbps対応)、可能であればCat6やCat6Aのケーブルに交換しましょう。

STEP
Wi-Fiルーターの性能を見直す

古い規格(Wi-Fi 4以前)のルーターでは、光回線の速度を十分に引き出せない場合があります。Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)以上、理想的にはWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応のルーターを使用することで、無線接続時の速度改善が期待できます。

STEP
VDSL環境の場合は別の対策を検討する

マンションでVDSL方式が採用されている場合は、物理的な上限が100Mbps程度となるため、上記の対策を行っても大幅な速度向上は見込めません。光配線方式への設備変更を管理組合に相談するか、ホームルーター等の併用を検討する選択肢があります。

VDSL環境でどうしても速度が出ない場合は、ホームルーターに切り替えるのも手です。工事不要ですぐに使えるのがポイント。

VDSL環境で速度にお困りの方へ

マンションのVDSL環境では光回線の速度に限界があります。工事不要のホームルーターなら、5G対応エリアであれば光回線並みの速度が期待できるケースもあります。

「バックボーンが大容量」は速さの保証ではない

プロバイダの広告で「大容量バックボーン」という表現を見かけることがありますが、バックボーンの帯域が大きいことは、そのまま利用者個人の体感速度を保証するものではありません。

インターネットの速度は、バックボーンの容量だけでなく、アクセスネットワークの方式、ISP間の相互接続状況、網終端装置の処理能力、自宅内のLAN環境、接続先サーバーの応答速度、そして同時に利用している他のユーザーの数といった多数の要素が複合的に影響します。いわば、出発地から目的地までの経路全体がスムーズであって初めて「速い」と感じられるのであって、高速道路(バックボーン)だけが広くても、入口の道路やインターチェンジが混んでいれば速くはなりません。

バックボーンの大容量化はISPが品質維持のために取り組むべき重要な施策ですが、利用者としては「バックボーンが大きい=速い」と短絡的に判断するのではなく、実測データやユーザーレビューを参考にしながら総合的に判断することが大切です。

バックボーンとバックホールの違い

バックボーンと混同されやすい用語に「バックホール(Backhaul)」があります。両者は似ているようで、指す範囲が異なります。

項目バックボーンバックホール
役割全国・世界をつなぐ基幹ネットワーク末端設備からバックボーンまでの中継経路
具体例ISPのコアネットワーク、海底ケーブル5G基地局からデータセンターまでのルート
英語の意味Backbone=背骨Backhaul=運搬する(haulは運搬の意味)

整理すると、バックボーンは全国・世界をつなぐ基幹ネットワーク、バックホールは末端設備とバックボーンをつなぐ中継経路です。どちらも通信品質を左右する重要なインフラですが、担っている役割が異なります。

光回線選びにバックボーンの知識を活かそう

バックボーンの仕組みを知っておくと、光回線やプロバイダを選ぶときの判断軸が増えます。ここでは記事の内容を踏まえて、回線選びのヒントをお伝えします。

この記事で解説したとおり、インターネットの速度はバックボーン・アクセスネットワーク・ISP間の接続・自宅のLAN環境など、複数の要素が絡み合って決まります。光回線を選ぶ際は、単に「月額料金」だけでなく、IPoE(IPv6)対応かどうか、プロバイダのバックボーン品質(実測データ)、利用者レビューの速度傾向なども参考にしましょう。

👤 こんな方はぜひ光回線を見直してみてください
  • 夜間に動画が途切れたり、Webサイトの読み込みが遅いと感じる方
  • PPPoE方式のまま使い続けていて、IPoEに切り替えていない方
  • マンションのVDSL環境で速度に限界を感じている方
  • 光コラボの乗り換えを検討しているが、どこを基準に選べばいいかわからない方

以下に、IPoE(IPv6)対応でバックボーンの品質にも定評のある光回線サービスをご紹介します。いずれもフレッツ光回線を利用した光コラボレーションサービスで、IPv6接続に標準対応しています。

項目★ GMO光アクセスドコモ光ソフトバンク光
月額(戸建て)4,818円(税込)5,720円(税込)5,720円(税込)
月額(マンション)3,773円(税込)4,400円(税込)4,180円(税込)
IPv6対応 v6プラス標準 v6プラス対応 IPv6高速ハイブリッド
スマホセット割なしドコモソフトバンク / Y!mobile
契約期間の縛りなし2年2年

※料金は2026年2月時点の各社公式サイト掲載情報に基づきます。キャンペーン等により変動する場合があります。

独自回線で高速通信にこだわりたい方には、フレッツ光とは異なる独自の光ファイバー網を持つNURO光もおすすめです。

まとめ

この記事では、バックボーンとは何か、インターネットの通信がどのような階層構造で成り立っているのか、そしてバックボーンがなぜ回線速度に影響するのかを解説してきました。

この記事のポイント
  • バックボーンは通信事業者が運用する基幹ネットワーク(コアネットワーク)で、光回線などのアクセスネットワークの上位に位置する
  • ISP同士はピアリングやトランジットで相互接続し、IXがその効率化を担う
  • NTT東西のNGN上ではPPPoEとIPoEの2つの接続方式があり、IPoE(IPv6)方式のほうが混雑に強い傾向
  • 速度低下の原因はバックボーンだけでなく、網終端装置・ISP間接続・自宅LAN環境など複数ある
  • 利用者側でできる対策はIPoE切替・LANケーブル見直し・ルーター更新など
  • 400Gbps化・オールフォトニクスネットワーク・5G FMCなど今後の進化にも注目

光回線やプロバイダを選ぶ際に、この記事で得た知識を活かして「なぜこの回線は速いのか(あるいは遅いのか)」を構造的に理解できるようになれば、より納得のいく選択ができるはずです。

よくある質問(FAQ)

バックボーンとは何ですか?

バックボーンとは、通信事業者が構築・運用する大容量・高速の基幹ネットワークのことです。家庭の光回線(アクセスネットワーク)の上位に位置し、全国や世界をつなぐインターネットの「背骨」にあたる通信網です。

バックボーンとアクセス回線の違いは何ですか?

アクセス回線は自宅から最寄りの通信事業者の設備(収容局)までを結ぶ回線で、一般的な光回線がこれにあたります。バックボーンはその収容局の先にある基幹通信網で、ISP同士や都市間を結ぶ大容量のネットワークです。

PPPoEとIPoEの違いは何ですか?

PPPoEはユーザー認証を経てISPに接続する従来型の方式で、網終端装置を経由するため混雑しやすい傾向があります。IPoEは網終端装置を介さず直接ISPのネットワークに接続する方式で、混雑に強く、通信が安定しやすいとされています。

VNEとは何ですか?

VNE(Virtual Network Enabler)は、NTT東西のNGNとISPの間でIPv6接続を仲介する事業者です。ISPが自前でNGNとの接続設備を用意しなくても、VNEを経由することでIPoE方式のIPv6サービスをエンドユーザーに提供できるようになります。

IXとは何ですか?

IX(Internet Exchange)は、複数のISPやコンテンツ事業者が一箇所に集まり、中立的な立場でトラフィックを交換する接続拠点です。日本にはJPNAP、JPIX、BBIXなどのIXがあります。

夜に回線速度が遅くなるのはバックボーンのせいですか?

夜間の速度低下はバックボーンの混雑だけが原因とは限りません。網終端装置の混雑、ISP間接続ポイントの帯域不足、マンション共用設備の混雑など、通信経路上の複数のポイントで同時に発生し得ます。IPoE方式への切り替えで改善するケースもあります。

オールフォトニクスネットワークとは何ですか?

NTTのIOWN構想で提唱されている、光のまま信号を処理する次世代ネットワーク技術です。現在のネットワークでは光→電気→光の変換が必要ですが、これを極力排除することで、大幅な省電力化・大容量化・低遅延化を目指しています。

バックボーンとバックホールの違いは何ですか?

バックボーンは全国・世界をつなぐ基幹ネットワーク、バックホールは携帯基地局などの末端設備からバックボーンまでを結ぶ中継経路です。バックホールの「ホール」は「運搬(haul)」の意味です。

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