「マンションのネットが遅いけど、個人でどうにもできない…」――VDSL方式やマンション一括インターネットに不満を抱えながら、誰に・何を・どう相談すればいいかわからないという声はかなり多いです。
結論から言えば、建物全体の配線方式を変えるには管理組合(分譲)やオーナー・管理会社(賃貸)を動かす必要があります。ただし、NTT東日本は2024年11月から入居者が直接リクエストできる窓口を開設しており、以前より相談のハードルは確実に下がっています。
さらに、NTT東日本・西日本は2026年1月31日に光配線方式が併設されている建物でのVDSL方式のサービスを終了しました。VDSL方式のタイプ変更工事費を無料にするキャンペーンも2026年5月31日まで延長されており、まさに今が動くべきタイミングです。
この記事では、光配線方式の技術的な仕組みには深入りせず、「管理組合にどう相談して、どう動いてもらうか」に絞って解説します。事前に確認しておくべき情報、伝え方のコツ、そのまま使える文例テンプレート、分譲マンションの総会決議のポイントまで網羅しました。

マンションのネット改善は「建物単位」で動くのが基本。個人で悩むより、管理組合に話を持っていく方が圧倒的に早いケースが多いです。
マンションのVDSLが遅い原因は「建物の配線方式」
マンションのインターネット速度は、建物に導入されている「配線方式」で上限が決まります。VDSL方式なら最大100Mbps、光配線方式なら最大1Gbps〜10Gbps。プロバイダやルーターを変えても、この壁は超えられません。
マンション一括インターネット(無料ネット)の場合も同様で、建物に引き込まれた回線と分配方式がボトルネックになっています。個人で別の回線を契約すれば改善できるケースもありますが、それも管理会社の許可が必要です。
つまり、根本解決を目指すなら「建物の設備をアップグレードする」しかありません。その意思決定ができるのが管理組合(分譲)やオーナー・管理会社(賃貸)です。
VDSL方式(現状)
最大速度:100Mbps
夜間の実測:20〜60Mbps
Ping値:15〜30ms
テレワーク:映像が途切れる場合あり
4K動画:バッファリングが発生しやすい
月額料金:光配線方式と同額(値上げ済み)
光配線方式(切り替え後)
最大速度:1Gbps〜10Gbps
夜間の実測:300〜600Mbps
Ping値:5〜15ms
テレワーク:まったく問題なし
4K動画:ストレスフリー
月額料金:VDSLと同額
※実測値はみんなのネット回線速度(みんそく)の傾向を参考にした目安です。利用環境により異なります。
VDSL併設建物のサービス終了(2026年1月)で変わったこと
NTT東日本・西日本は、光配線方式の設備がすでに併設されている建物について、2026年1月31日をもってVDSL/LAN配線方式のサービスを終了しました。対象の建物にお住まいで、まだVDSL方式のまま利用していた方は、光配線方式への移行手続きが必要です。移行工事が完了していない場合、インターネットが利用できなくなっている可能性があります。
一方、まだVDSL方式「のみ」が設置されている建物(光配線方式が未導入の建物)については、引き続きVDSL方式でのサービスは提供されています。この記事の主な対象は、こうした「光配線方式が未導入のマンション」にお住まいの方で、管理組合に光配線化を提案しようとしている方です。
NTT東日本は2026年1月30日付で、VDSL方式から光配線方式へのタイプ変更工事費を無料にするキャンペーンの申込受付期間を2026年5月31日まで延長することを発表しています(NTT東日本 2026年1月30日発表)。この工事費無料措置がいつまで続くかはわからないため、「今が提案のチャンス」であることは管理組合へのアピール材料にもなります。
管理組合に光配線化を相談すべきマンションの特徴



「自分のマンション、管理組合に相談して意味あるの?」と思いますよね。以下の3パターンに当てはまるなら、相談する価値は十分あります。
VDSL方式で速度が頭打ち
VDSL方式のマンションは、どんなプロバイダを選んでも最大100Mbps止まりです。実測では40〜60Mbps程度になることが多く、夜間のゴールデンタイムはさらに低下します。
NTT東日本・西日本は2025年4月の料金改定でVDSL方式の月額料金を光配線方式と同額に値上げしました。つまり「遅いのに同じ料金」を払い続けることになり、光配線方式に切り替えない合理的な理由がなくなっています。
無料インターネットが常に混雑
マンション一括インターネット(無料Wi-Fi)は、建物に引き込まれた1本の回線を全戸で共有する仕組みです。住民のネット利用が増えれば増えるほど、速度は遅くなります。
無料ネットの速度に不満がある場合、マンションの無料Wi-Fiが遅い原因と対策で今すぐできる改善策も確認しつつ、根本対策として管理組合への相談を検討してください。
テレワーク・ゲーム・動画需要が増えている
在宅勤務・オンライン授業・動画配信・オンラインゲームなど、安定した高速回線を必要とするシーンは急増しています。自分だけでなく、同じマンションの住民も困っている可能性は高いです。
同じ不満を持つ住民が複数いるなら、管理組合に「複数の住民から要望が出ています」と伝えられるため、提案の説得力が格段に上がります。
Q1. 現在の配線方式はVDSL方式 or LAN配線方式ですか?
→ Yes → Q2へ
→ No(光配線方式)→ 配線方式が原因ではない可能性。Wi-Fiが遅い原因と対策を先に確認
Q2. 夜間やテレワーク中に速度不満を感じていますか?
→ Yes → Q3へ
→ No → 現時点では緊急度低。将来の資産価値維持のため、情報収集しておく価値あり
Q3. 周囲の住民にも同じ不満を持つ人がいますか?
→ Yes → 管理組合への相談を強く推奨。複数名の声があれば提案が通りやすい
→ No/わからない → NTT東日本のリクエストフォームを活用。NTTが管理会社に交渉してくれる
Q4. 分譲マンションですか?賃貸マンションですか?
→ 分譲 → 理事会に議題として提出。総会決議が必要な場合あり
→ 賃貸 → オーナー・管理会社に連絡。NTTリクエストフォームが最も手軽
管理組合に光配線化を相談する5ステップ
- ステップ1:自分のマンションの配線方式を確認する
NTT東日本のフレッツ光エリア検索で住所を入力し、現在の配線方式を特定する。壁に「光コンセントSC」の表記があれば光配線方式、電話線の差込口しかなければVDSL方式の可能性が高い。 - ステップ2:夜間のスピードテスト結果を3日分記録する
fast.comやSpeedtest.netで20〜23時の速度を測定し、スクリーンショットを保存。「夜間の下り速度が○○Mbps」と具体的な数値で示せる状態にしておく。 - ステップ3:同じ不満を持つ住民に声をかける
日常の挨拶レベルで「ネット遅くないですか?」と聞くだけでも十分。3〜5名の賛同者がいると、理事会への説得力が格段に上がる。 - ステップ4:要望書を作成し、理事会または管理会社に提出する
この記事のテンプレート(後述)をコピー&編集して、「生活支障の具体例」「NTT工事費無料の情報」「資産価値向上のメリット」の3点を盛り込む。 - ステップ5:NTTリクエストフォームから並行してリクエストを送る
NTT東日本エリアなら入居者向けリクエストフォームから要望を送信。NTTの専門スタッフが管理会社への説明を代行してくれるため、両面から話が進みやすくなる。



ステップ4と5は同時に進めるのがコツ。管理組合への直接提案とNTTからの公式アプローチの両方で挟み撃ちにすると、かなり話が進みやすくなります。
光配線化の提案前に準備すべき3つの情報
相談前に「現状の配線方式」「実際の速度データ」「困っている住民の声」の3つを整理しておくと、理事会で話が通りやすくなります。
現在の配線方式を確認する
最も簡単な確認方法は、NTT東日本のフレッツ光エリア検索で住所を入力することです。結果画面に「マンションタイプ」と表示されればVDSL/LAN配線方式、「ギガラインタイプ」や「光クロス」と表示されれば光配線方式が導入済みです。
壁のコンセント周辺で「光」「光コンセントSC」と記載があれば光配線方式。「TEL」マークや電話線の差込口しかなければVDSL方式の可能性が高いです。詳しい確認手順は光コンセントとは?探し方・確認方法から工事・注意点まで完全解説をご覧ください。
実際の速度不満を「数字」で把握する
「遅い」だけでは伝わりません。スピードテストの結果を具体的な数値で示すのが鍵です。みんなのネット回線速度(みんそく)でマンション名を検索すれば、同じ建物の住民が測定したデータが見つかることもあります。
自分でもfast.comやSpeedtest.netで測定し、夜間のゴールデンタイム(20〜23時)の速度を3日分ほど記録しておくと説得材料になります。
他の住民も困っているかリサーチする
管理組合への提案は、1人の要望より複数名の声の方が圧倒的に通りやすいです。日常の挨拶レベルで「ネット遅くないですか?」と聞いてみるだけでも十分。
マンション内のSNSグループ(LINEなど)がある場合は、「インターネット速度で困っている方いませんか?」と投げかけてみてください。3〜5名の賛同があれば、理事会も無視できません。
管理組合への提案が通るかどうかは、以下の3つの条件で大きく変わります。
条件1:建物に光ファイバ用の配管がある
総務省の資料によると、VDSL方式のマンションの約64%は光ファイバ用の配管がない状態です(インターネットトラヒック研究会 報告書|総務省)。配管があるマンションなら、NTT側の設備工事のみで済むため、管理組合の費用負担はほぼゼロ。これが最も通りやすいパターンです。
条件2:NTTの工事費無料キャンペーン期間中
NTT東日本はVDSL→光配線方式のタイプ変更工事費を無料にするキャンペーンを2026年5月31日まで延長しています(NTT東日本 2026年1月30日発表)。「住民の費用負担もNTT側の費用負担も最小限」と伝えれば、反対意見は出にくくなります。申込期限が迫っているため、緊急性も伝えましょう。
条件3:VDSL値上げにより光配線方式と同額になっている
2025年4月の料金改定で、VDSL方式と光配線方式の月額料金はほぼ同額になりました。「同じ料金なのに速度は10倍以上」という事実は、費用面の反論を封じる強力な材料です。
理事会・管理会社を動かす3つの伝え方
感情論ではなく「生活支障」で伝える
「ネットが遅くてイライラする」では、理事会の議題にはなりにくいです。具体的な生活上の支障として伝えましょう。
- 「テレワーク中にWeb会議が頻繁に切断され、業務に支障が出ている」
- 「子どものオンライン授業が安定しない」
- 「夜間に動画が再生できないレベルまで速度が低下する」
さらに、先ほど用意したスピードテストの数値を添えて「夜間の下り速度が10Mbps以下」などと示せば、客観的な根拠になります。
資産価値・入居者満足度の観点で語る
管理組合の理事や管理会社が最も関心を持つのは、建物の資産価値と入居者の満足度です。NTT東日本の担当者もINTERNET Watch(インプレス記事)のインタビューで「光配線化は物件の資産価値向上につながる」と明言しています。
分譲マンションなら「築年数が経過するほど通信環境は売却時の評価に影響する」「新築マンションはほぼ100%光配線方式。同等の環境が整えば競争力が維持できる」という切り口が有効です。
賃貸なら「入居者の退去防止・入居率の維持」が刺さります。アットホームの「2025年 問合せが多かった条件・設備~賃貸編~」調査(アットホーム 2026年2月発表)では、「インターネット接続料無料」が問合せの多い設備の2位にランクインしており、入居者がネット環境を物件選びの重要条件にしている事実はオーナーへの強い説得材料になります。
「何を相談するか」を具体的にする
「ネットを速くしてください」では漠然としすぎます。管理組合や管理会社がとるべきアクションを具体的に提示しましょう。
- NTT東日本の光配線化リクエストフォーム経由で、NTTの専門スタッフに説明に来てもらう
- NTT(0120-116-116)に管理会社名義で問い合わせ、建物の光配線化が可能か調査してもらう
- 次回の理事会または総会で「インターネット環境改善」を議題に挙げてもらう
とくにNTT東日本エリアのマンションなら、入居者が直接光配線方式の設備導入ご要望入力フォームからリクエストを送れます。NTTの専門スタッフが管理会社へ説明・交渉を代行してくれるため、住民が直接交渉する負担が大幅に減ります。
分譲マンションの総会決議をクリアするポイント
普通決議で通るケースと特別決議が必要なケース
光配線方式の導入は、共用部分(MDF室)に光スプリッタを設置する工事を伴います。区分所有法上、共用部分の変更のうち「形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」は普通決議(出席者の過半数)で可決できます。
光スプリッタの設置は既存のMDF室内で完結するケースが多く、建物の外観や構造に大きな変更を加えるものではないため、多くのマンションでは普通決議で対応可能と判断されています。
ただし、配管の新設や外壁への穴あけが必要な場合は「重大変更」に該当し、特別決議(区分所有者・議決権の各3/4以上)が求められる可能性があります。管理規約の確認を事前に行いましょう。
総会で反対が出にくい提案の組み立て方
光配線化の議案で反対意見が出る最大の理由は「費用負担」への懸念です。これを事前に潰しておけば、採決はスムーズに進みます。
NTTの工事費無料キャンペーン(2026年5月31日申込分まで)を活用すれば、「NTTの共用部設備工事費=NTT負担」「各戸のタイプ変更工事費=無料」となり、管理組合の費用負担はほぼゼロです。配管がすでにある場合は、特に費用面での障壁がなくなります。
「費用負担ゼロ」「月額料金は変わらず速度だけ10倍以上」「NTTの専門スタッフが手続きを代行」——この3つを資料に盛り込んで配布すれば、反対する理由を見つけにくくなります。
賃貸マンションのオーナーを動かすコツ
賃貸オーナーにとっての最大の関心事は「空室率」と「費用対効果」です。アットホームの「2025年 問合せが多かった条件・設備~賃貸編~」調査(アットホーム 2026年2月発表)では、「インターネット接続料無料」が2位にランクイン。入居者がネット環境を物件選びの重要条件にしている事実を、エビデンス付きでオーナーに伝えましょう。
「NTTの工事費無料キャンペーンで、オーナー様の持ち出しゼロで物件のネット環境が改善でき、入居者満足度が上がります」という提案は、オーナーにとって断る理由が見つかりにくいフレームです。NTT東日本エリアなら、入居者がリクエストフォームから送信するだけでNTTがオーナーへの説明を代行してくれるため、入居者側の手間もオーナー側の手間も最小限で済みます。
そのまま使える|管理組合への質問リスト&文例テンプレート
理事会への提出文書・管理会社への連絡メール、それぞれのテンプレートを用意しました。コピー&編集して使ってください。
まず、管理会社や理事会に最初に確認すべき質問をまとめておきます。
- 現在のマンションの配線方式(VDSL方式 / LAN配線方式 / 光配線方式)を教えてください
- 光配線方式への切り替えについて、過去に検討されたことはありますか?
- NTTから光配線化の案内や提案を受けたことはありますか?
- 建物内に光ファイバ用の配管はありますか?
- 次回の理事会・総会で「インターネット環境の改善」を議題にしていただけますか?
次に、分譲マンションの理事会向けと賃貸マンションの管理会社向け、それぞれの文例テンプレートを紹介します。
【分譲】理事会への要望書テンプレート
○○マンション管理組合 理事会 御中
件名:インターネット通信環境の改善に関する要望
○号室の○○です。当マンションのインターネット環境について、以下の要望を提出いたします。
【現状の問題】
当マンションの配線方式はVDSL方式(最大100Mbps)であり、夜間の実測速度は○○Mbps程度まで低下しています(測定結果別紙)。テレワークやオンライン授業に支障が出ており、他の住民からも同様の声を複数聞いております。なお、2025年4月の料金改定により、VDSL方式と光配線方式の月額料金は同額になっています。速度が10分の1にもかかわらず同じ料金を支払い続けている状態です。
【提案内容】
光配線方式(最大1Gbps〜10Gbps)への切り替えをご検討ください。NTT東日本は以下の支援を行っています。
・VDSL→光配線方式のタイプ変更工事費:無料(2026年5月31日申込分まで)
・管理会社への説明・交渉:NTT専門スタッフが対応
・光スプリッタの設置費用:NTT負担
【期待される効果】
・住民のインターネット環境が大幅に改善(速度10倍以上)
・追加費用なく速度向上が可能(月額料金は変わらない)
・マンションの資産価値・入居者満足度の向上
・NTT東日本は一部建物でのVDSL方式を2026年1月に終了しており、今後さらに光配線方式への移行が加速する見込み
【工事費無料キャンペーンの申込期限について】
NTT東日本のタイプ変更工事費無料キャンペーンの申込受付期間は2026年5月31日までです。この機会を逃すと工事費が発生する可能性がありますので、早めのご検討をお願いいたします。
次回の理事会にて議題としてお取り上げいただければ幸いです。
○号室 氏名 連絡先
【賃貸】管理会社へのメールテンプレート
件名:インターネット速度改善のご相談(○○マンション ○号室)
○○管理会社 ご担当者様
○○マンション○号室に入居しております○○です。
当マンションのインターネット速度について相談させてください。
現在の配線方式はVDSL方式かと思いますが、夜間の速度が○○Mbps程度まで低下し、テレワークに支障が出ております。
NTT東日本では、VDSL方式から光配線方式への切り替え工事費を無料にするキャンペーンを2026年5月31日まで実施中です。建物の配管が整っていれば、オーナー様の費用負担なく切り替えできる可能性があります。
アットホームの調査でも「インターネット接続料無料」は入居者が重視する設備の上位にランクインしており、物件の魅力向上にもつながるかと存じます。
NTTに設備状況を確認していただくことは可能でしょうか?
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
○○マンション ○号室 氏名 連絡先
なお、NTT東日本エリアの場合は、上記の相談と並行してNTT東日本の光配線化リクエストフォームからもリクエストを送っておくと、両面から話が進みやすくなります。
Before:全戸VDSL方式。夜間の下り速度は20〜30Mbps台。テレワーク住民が増え、Web会議の品質低下が頻発。理事会には過去にもネット改善の要望が出ていたが、「費用がかかる」で先送りにされていた。
1ヶ月目:住民Aさんが3名の賛同者とともに、スピードテスト結果を添えて理事会に書面を提出。「NTTの工事費無料キャンペーン」「VDSL値上げで光配線と同額になった事実」「工事費無料の申込期限が迫っていること」を資料で示す。
2ヶ月目:理事会がNTT東日本に問い合わせ。NTT担当者がマンションを現地調査。幸い配管が残っており、共用部の工事費用はNTT負担で済むと判明。
3ヶ月目:通常総会で「光配線方式への切り替え」が議案に。管理組合の費用負担がほぼゼロという説明が決め手となり、賛成多数で承認(普通決議で可決)。
4〜5ヶ月目:NTTが共用部に光スプリッタを設置。各戸へのタイプ変更工事の案内が順次配布される。
After:光配線方式に切り替えた住民は、下り速度が300〜600Mbps台に向上。VDSL時代の10倍以上。テレワークも4K動画もストレスフリーに。



配管が残っているマンションなら、想像以上にスムーズに進むことがあります。まずはNTTに調査してもらうところまで持っていくのが最初のゴールです。
光配線化を待てない場合の代替策3選



管理組合への提案は時間がかかります。総会決議が必要な場合は半年〜1年かかることも。「今すぐ何とかしたい」なら、以下の代替策を並行して検討しましょう。
個別に光回線を引く(戸建てプラン)
マンションでも管理会社の許可が得られれば、電柱から自室に直接光ファイバーを引き込む「戸建てプラン」を契約できるケースがあります。VDSL方式の共用設備を経由しないため、最大1Gbps〜10Gbpsの速度が実現可能です。
ただし、高層階では引き込みが難しい・外壁にビス留めが必要になる場合があるなど、物理的な制約もあります。詳しい確認手順はマンション一括インターネットでも個別に光回線は引ける?確認手順と対処法で解説しています。
お使いのスマホキャリアに合わせた最適な光回線を知りたい方は、キャリア別の光回線診断ページも参考にしてください。
auひかり タイプG(G.fast)で電話線のまま高速化
配管がなく光配線方式への変更が難しいマンションでも、auひかりが導入済みの建物であれば「タイプG」(G.fast)への変更で下り最大664Mbpsまで速度向上が可能です。既存の電話線をそのまま使うため、建物の大規模な工事は不要で、モデムの交換だけで対応できます。
お住まいのマンションが対象かどうかは、auひかりの提供エリア検索で確認できます。物件名の後ろに「マンションG16」や「マンションG8」と表示されれば、タイプG(G.fast)に対応した物件です。VDSLの上限100Mbpsから大幅に速度が改善される可能性があります。
ホームルーターで工事不要の高速化
光配線化も個別回線もauひかり タイプGも難しい場合、ホームルーターは最も手軽な選択肢です。コンセントに挿すだけで使え、工事不要・許可不要。5G対応のホームルーターなら、実測でVDSL方式を上回る速度が出ることも珍しくありません。
VDSL方式(現状)
最大速度:100Mbps
実測:20〜60Mbps
夜間はさらに低下
ホームルーター(代替策)
最大速度:4.2Gbps(5G理論値)
実測:100〜200Mbps
工事不要・即日利用可
※ ホームルーターの実測値はみんなのネット回線速度(みんそく)の直近データを参考にした目安です。利用環境・エリアにより異なります。
工事ができない物件やすぐにネットを改善したい方は、工事不要で使えるWi-Fiの比較ページも参考にしてください。
宅内環境の見直しで速度を底上げ
配線方式が変わらなくても、Wi-Fiルーターの性能や設置場所を見直すだけで体感速度が改善することもあります。
- Wi-Fi 6対応ルーターへの買い替え
- ルーターの設置場所を部屋の中央・高い位置に変更
- 5GHz帯(A)への接続切り替え
- IPv6(IPoE)接続への切り替え
宅内改善のポイントはマンションの無料Wi-Fiが遅い原因と対策|今すぐ試せる改善方法を解説でまとめています。
まとめ
- 自分のマンションの配線方式を確認したか(フレッツ光エリア検索 or 光コンセントの有無)
- 夜間のスピードテスト結果を3日分記録したか
- 同じ不満を持つ住民に声をかけたか
- NTTの工事費無料キャンペーン(2026年5月31日申込分まで)の情報を整理したか
- 理事会・管理会社へ提出する文書を準備したか
- (NTT東日本エリア)リクエストフォームからの送信も完了したか
配線方式の確認手順をもっと詳しく知りたい方は賃貸の配線方式がわからない?30秒で確認する方法と配線別おすすめ回線を、MDF(主配線盤)の役割を理解したい方はMDF(主配線盤)とは?光回線工事での役割・解錠手続き・配線方式の違いを徹底解説をご覧ください。



「管理組合に相談する」と聞くと大ごとに感じるかもしれませんが、NTTのサポートも手厚くなっています。まずはリクエストフォームを送るか、管理会社にメール1本を出すところから始めてみてください。
この記事を読んで「管理組合に相談してみよう」と思った方は、並行してNTT東日本のリクエストフォームからも要望を送っておきましょう。NTTの専門スタッフが管理会社・オーナーへの説明を代行してくれるため、あなたが全部を自分で説明する必要はありません。
- リクエスト後の流れ
-
NTTから管理会社に連絡 → 現地調査 → 工事可否の判定 → 結果の連絡(目安:1〜3ヶ月)
- 費用
-
リクエスト送信は無料。タイプ変更工事費も2026年5月31日申込分まで無料キャンペーン中
※NTT東日本エリアの方のみ。NTT西日本エリアの方は管理会社経由でNTT西日本(0120-116-116)にお問い合わせください。
光配線化を待てない方へ|今日から速度改善する方法
光配線化は管理組合の承認から工事完了まで数ヶ月〜1年。「テレワークは明日もあるのに…」という方は、工事不要・最短翌日届くホームルーターで今すぐ速度改善するのが現実的です。5Gエリアなら実測でVDSLの2〜3倍以上の速度が出るケースも珍しくありません。
- こんな方に向いています
-
光配線化の実現まで待てない/管理会社の許可がすぐに下りない/工事なしで手軽に速度改善したい
- 確認すべきポイント
-
自宅が5Gエリア内か/スマホセット割が使えるか/端末代金の実質負担額
光配線化が実現したら、次はお得な光回線を選びましょう
光配線方式に切り替わっても、どの光コラボ回線を選ぶかで料金・速度は変わります。スマホとのセット割を考慮した最適な光回線を確認してみてください。
※ 比較ページではホームルーター各社の料金・速度・キャンペーンを最新情報で比較しています。
VDSL光配線化と管理組合への相談でよくある質問
- 管理組合に相談すれば必ず光配線化できますか?
-
必ずしもできるとは限りません。建物に光ファイバ用の配管がない場合、配管整備に費用がかかるためオーナーや管理組合がNGを出すケースがあります。総務省の資料では、VDSL物件の約64%に配管がないとされています。ただし、NTTの工事費無料キャンペーン(2026年5月31日申込分まで)により以前よりハードルは下がっています。
- 賃貸マンションでも光配線化を相談できますか?
-
相談できます。賃貸の場合はオーナー・管理会社に連絡します。NTT東日本エリアなら入居者がリクエストフォームから直接要望を送ることも可能で、NTTの専門スタッフがオーナーへの説明を代行してくれます。
- NTT東日本のリクエストフォームを使うと個人情報がオーナーに伝わりますか?
-
本人の許可がない限り、NTTが名前を出すことはありません。ただし、NTTの担当者によると、本人の同意を得て名前を出した方がオーナーへの説得力が増すとのことです。希望に応じて匿名でも対応してもらえます。
- 光配線化が完了するまでどのくらいかかりますか?
-
配管が整っているマンションなら、リクエストから1〜3ヶ月程度。配管整備や総会決議が必要な場合は半年〜1年以上かかることもあります。並行してホームルーターなどの代替策を検討するのがおすすめです。
- 光配線化の費用は誰が負担しますか?
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NTTが負担する範囲は「光スプリッタの設置」「各戸のタイプ変更工事費(2026年5月31日申込分まで無料キャンペーン中)」です。建物に配管がない場合の配管整備費はマンション側(管理組合またはオーナー)の負担になります。配管がすでにあれば、管理組合の費用負担はほぼゼロです。
- NTT西日本エリアでも入居者からリクエストできますか?
-
2026年3月時点で、NTT西日本にはNTT東日本のような入居者向けリクエストフォームはありません。管理会社または管理組合からNTT西日本(0120-116-116)に連絡する形になります。NTT西日本もVDSLから光配線方式への移行を推進しており、併設建物での移行案内は実施中です。
- マンション一括インターネット(無料ネット)の場合でも光配線化を相談できますか?
-
相談は可能ですが、一括インターネットの契約はマンション全体で結ばれているため、管理組合・オーナーの判断になります。光配線化とは別に、個別に光回線を引くことを検討するのも一つの選択肢です。
- 分譲マンションの総会で光配線化を可決するには特別決議が必要ですか?
-
光スプリッタの設置は既存のMDF室内で完結するケースが多く、「形状又は効用の著しい変更」に該当しないため、普通決議(出席者の過半数)で可決できるケースが大半です。ただし、配管の新設や外壁への穴あけが必要な場合は特別決議(区分所有者・議決権の各3/4以上)が求められる可能性があります。事前に管理規約を確認してください。
- 2026年1月にVDSLが廃止されたと聞きましたが、うちのマンションはまだVDSLです。大丈夫ですか?
-
2026年1月31日にサービスが終了したのは、光配線方式の設備がすでに併設されている建物に限られます。お住まいのマンションにVDSL方式の設備しかない場合(光配線方式が未導入の場合)は、引き続きVDSL方式でサービスが提供されています。ただし、今後もVDSLのまま放置するとNTTの方針変更で影響を受ける可能性があるため、早めに光配線化を管理組合に提案することをおすすめします。
- 配管がないマンションでも光配線化できますか?
-
配管がない場合でも、新たに配管を整備すれば光配線化は可能です。ただし、配管整備の費用はマンション側(管理組合またはオーナー)の負担となるため、費用面がハードルになることが多いです。配管整備が難しい場合は、auひかり タイプG(G.fast)や戸建てプランの個別引き込み、ホームルーターなどの代替策を検討してください。









