実家の電話料金の請求書を見て、「なんだか高くなっている」と気づいた方が増えています。NTT東日本・NTT西日本は、メタル回線を使った「加入電話」の基本料(回線使用料)を2026年4月1日から値上げすると発表しました。値上げは1995年以来、約30年ぶりです。
結論から言うと、判断の分かれ目は「電話番号を残したいか」と「実家にネットが要るか」の2つです。この2軸で整理すると、取るべき行動は4パターンに分かれます。番号を残しつつ料金を抑えたいなら、光回線の「ひかり電話」への切り替えが第一候補になります。
2026年4月からの固定電話値上げ、まず結論
この記事の結論
NTT加入電話の基本料は2026年4月1日から値上げ。住宅用は月220円(年間2,640円)の負担増になります。判断は「番号を残すか」×「ネットが要るか」の2軸で決めます。
- 番号を残す×ネットも欲しい → 光回線+ひかり電話が有力候補
- 番号を残す×ネットは不要 → 加入電話の継続、または光電話のみ導入を検討
- まず確認すべきは「その番号がひかり電話へ引き継げるか」。ここを間違えると番号を失う可能性がある
何が、いくら値上げされるのか
値上げの対象は、メタル回線(銅線)を使った「加入電話」と「加入電話・ライトプラン」の回線使用料です。NTT東日本の発表によると、適用開始は2026年4月1日(水)ご利用分からで、手続きは不要で自動的に新料金へ切り替わります。
NTT東日本の「加入電話」プッシュ回線用の料金は、次のように改定されます(月額・税込)。取扱所の級によって金額が異なります。
| 区分 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 3級取扱所・住宅用 | 1,870円 | 2,090円 |
| 3級取扱所・事務用 | 2,750円 | 3,080円 |
| 1・2級取扱所・住宅用 | 1,760円 | 1,980円 |
| 1・2級取扱所・事務用 | 2,640円 | 2,970円 |
表からわかるとおり、住宅用は一律で月220円、事務用は一律で月330円の値上げです。住宅用の場合、年間では2,640円の負担増になります。取扱所の級は住んでいる地域で決まり、利用者側で選べるものではありません。
なぜ値上げされるのか(2035年の移行が背景)
NTT東日本・西日本の説明によると、値上げの背景にはメタル設備そのものの限界があります。加入電話の利用が減り続ける一方で、電柱や管路などの設備は老朽化しており、公式サイトによると2035年頃までにはメタル設備でのサービス維持が難しくなる見通しです。
NTTはメタル回線の加入電話を、2035年までに光回線・モバイル回線を使ったサービスへ段階的に移行させる方針を示しています。今回の値上げは、その移行が完了するまでの間、通話品質と災害対応を維持するための費用にあてられます。つまり「加入電話をこのまま無期限に使い続けられるわけではない」という点が、判断の前提になります。
実家の固定電話、どうする?判断表で4パターンに分ける
「値上げされたから解約」と単純に決めると、電話番号を失って後悔することがあります。判断は「番号を残したいか」と「実家にネットが要るか」の2軸で考えるのが確実です。次の判断表で、実家がどのパターンに当てはまるかを確認してください。
| 条件 | ネットも欲しい | ネットは要らない |
|---|---|---|
| 番号を残したい | 光回線+ひかり電話(第一候補) | 加入電話を継続/光電話のみ導入を検討 |
| 番号は不要 | 光回線+ホームルーターなどネット中心に | 加入電話を解約・利用休止 |
表からわかる要点は、番号を残したい人ほど「解約」を急がないことです。とくに左上(番号を残す×ネットも欲しい)は、光回線を1本引くことで「ネット」と「安い固定電話」を同時に手に入れられるため、値上げをきっかけに乗り換えるメリットが大きい層です。以下でパターンごとに説明します。
パターン1:番号を残す×ネットも欲しい
もっとも該当者が多く、乗り換えメリットも大きいパターンです。光回線を契約し、そのオプションとして「ひかり電話」を使えば、今の電話番号を引き継いだまま、加入電話より安い基本料で固定電話を維持できることが多くあります。実家でスマホやタブレット、テレビの動画も使いたいなら、ネット回線もまとめて解決できます。
高齢の親が実家に一人で暮らしている場合、光回線を引くほどネットを使わないこともあります。その場合は、工事不要で使えるホームルーターという選択肢もあります。コンセントに挿すだけで使え、電話は加入電話のまま残すか、モバイル回線の固定電話サービスへ移す形になります。
工事不要でネットだけ先に整えたい実家には、コンセントに挿すだけのホームルーターも候補になります。
工事不要のWi-Fiを見るパターン2:番号を残す×ネットは要らない
「電話しか使わない」高齢者に多いパターンです。この場合、選択肢は2つあります。1つは加入電話をそのまま継続すること。値上げはありますが、住宅用で月220円の増加にとどまるため、乗り換えの手間をかけたくない場合は継続も合理的です。
もう1つは、光回線を引いてひかり電話のみを使う方法です。ただしネットを使わないのに光回線の月額を払うのは割高になりがちなので、通話料を含めた総額で比較して判断してください。NTTはメタルの加入電話を光・モバイル回線へ移行する方針のため、いずれ移行の案内が届く点も念頭に置いておくとよいでしょう。
パターン3:番号は不要×ネットが欲しい
固定電話番号にこだわりがなく、親もスマホを使っているなら、固定電話は解約してネット回線に一本化するのがすっきりします。光回線かホームルーターを選び、連絡はスマホに集約する形です。加入電話を解約すれば、値上げされる回線使用料の支払いもなくなります。
ただし「番号は不要」と即断する前に、その番号を金融機関や役所、かかりつけ病院などに登録していないか確認してください。連絡先変更の手間を考えると、番号を残したほうが楽なケースもあります。
パターン4:番号は不要×ネットも要らない
固定電話もネットも使わないなら、加入電話の「解約」または「利用休止」を選びます。解約は契約自体を終了させる手続きです。利用休止は、回線使用料を止めながら電話加入権を最大10年間(5年ごとの更新で延長可)預けられる仕組みですが、休止すると同じ番号は保持されない点に注意が必要です。
重要:「また使うかもしれないから休止」を選んでも、休止すると今の電話番号は原則そのまま戻ってきません。番号を確実に残したい場合は、休止ではなく番号を維持できる方法(ひかり電話への引き継ぎなど)を検討してください。
番号を失わないために知っておくこと
この記事でもっとも注意してほしいのが、電話番号を残せるかどうかの条件です。判断を誤ると、長年使ってきた番号を失うことがあります。
まず前提として、NTTの加入電話で発番された固定電話番号(0X-XXXX-XXXX形式)は、条件を満たせばひかり電話へ引き継げます。逆に、すでにひかり電話を使っていて、その番号が「ひかり電話専用番号」として発番されたものだった場合は、加入電話へ戻すこと(アナログ戻し)ができず、番号を引き継げません。自分の番号がどちらかは、契約している事業者に問い合わせて確認するのが確実です。
重要:ひかり電話や他社の光電話へ番号を移す場合、移行が完了する前に元の回線を解約すると、番号を引き継げなくなります。必ず「移行が終わってから解約」の順序を守ってください。
なお2025年1月からは、固定電話番号を保持したまま事業者を乗り換えられる「双方向番号ポータビリティ」の受付が始まっています。番号引き継ぎの技術的な条件や具体的な手順は、次の専用記事で詳しく解説しています。
番号を変えずに光回線へ乗り換える具体的な流れは、固定電話番号を変えずに光回線へ乗り換える方法で手順を確認してください。この記事は「値上げを受けてどう決断するか」に絞っているため、引き継ぎの技術面はそちらに役割を分けています。
ひかり電話に替えるといくら安くなる?
ひかり電話は光回線を使った固定電話サービスで、加入電話より基本料が安く設定されているのが一般的です。ただし金額は契約する光回線事業者やプランによって異なるため、この記事では確定した金額を断定しません。実際の月額は、乗り換え先の公式サイトで確認してください。
比較のポイントは「電話の基本料だけ」で見ないことです。光回線を新たに引く場合は、電話の基本料に加えて、光回線の月額・工事費・オプション料も加わります。ネットも使うなら総額で十分にお得になりますが、電話だけの利用だと割高になることもあるため、パターン2に当てはまる人はとくに総額で判断してください。
また、加入電話・INSネットからフレッツ光へ移行する際の工事費などについては、無料で移行できる制度や期間限定の支援施策があります。対象条件や申込手順は、加入電話・INSネットからフレッツ光へ無料移行できる?対象条件・申込手順で確認してください。手続きの詳細はこの記事では扱わず、そちらに集約しています。
注意点:高額キャッシュバックのページと、月額割引のページは適用条件が異なることがあります。特典を組み合わせて考えず、実際に申し込む窓口の条件だけで総額を計算してください。
高齢の親の実家に導入するときの注意
子世代が離れて暮らす実家の通信環境を整える場合、料金だけでなく「親が困らないか」も判断材料になります。光回線の工事に立ち会えるか、設定やトラブル対応を誰がするか、が現実的な課題です。
工事の立ち会いが難しい、設定を簡単にしたいという場合は、工事不要のホームルーターが向いています。機種選びは高齢の親にWi-Fiを選ぶなら?工事不要・簡単設定のおすすめ3選を参考にしてください。実家にそもそもネット環境がない場合の対処は実家にWi-Fiがない時の対処法5選にまとめています。
導入後に親から「ネットがつながらない」と電話がかかってくることもあります。離れていても直せるよう、実家のWiFiを遠隔で直す方法もあわせて読んでおくと安心です。契約者である親に万一のことがあった場合の手続きは光回線の契約者が死亡したらどうする?名義変更・解約・再契約の手続きで確認できます。
よくある質問
- 固定電話の値上げはいつから、いくらですか?
-
NTT東日本・西日本の加入電話の回線使用料は2026年4月1日ご利用分から値上げされます。NTT東日本の場合、住宅用は一律で月220円(年間2,640円)、事務用は一律で月330円の増額です。手続きは不要で、自動的に新料金へ切り替わります。
- 値上げされても加入電話をそのまま使い続けられますか?
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当面は使い続けられますが、NTTはメタル回線の加入電話を2035年頃までに光・モバイル回線を用いたサービスへ段階的に移行する方針を示しています。多くの利用者は自動的に移行される予定です。値上げを機に自分で光回線へ乗り換えることもできます。
- 今の電話番号を残したまま安くできますか?
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加入電話で発番された番号なら、条件を満たせばひかり電話へ引き継いだまま基本料を抑えられることが多くあります。ただし「ひかり電話専用番号」など引き継げないケースもあるため、まず契約中の事業者に自分の番号が引き継ぎ可能か確認してください。移行が完了する前に解約すると番号を失うので注意が必要です。
- 解約と利用休止はどちらがよいですか?
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電話も番号も不要なら解約が明快です。利用休止は電話加入権を最大10年間預けられますが、休止すると同じ番号は原則戻りません。番号を確実に残したい場合は、休止ではなくひかり電話への引き継ぎなど番号を維持できる方法を選んでください。
- ネットを使わない親でも光回線に替える意味はありますか?
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電話だけの利用だと、光回線の月額を含めた総額では割高になることもあります。番号を残しつつ費用を抑えたいだけなら、加入電話の継続と光電話への切り替えを総額で比較してください。将来的にはメタル回線が移行対象になる点も判断材料になります。
まとめ:値上げを「見直しのきっかけ」にする
2026年4月の値上げで、加入電話の住宅用は月220円・年間2,640円の負担増になります。金額だけ見れば大きくありませんが、メタル回線がいずれ移行対象になることを踏まえると、値上げは通信環境を見直すよい機会です。
判断は「番号を残すか」×「ネットが要るか」の2軸で。番号を残しつつネットも欲しいなら光回線+ひかり電話が有力候補、まずネットだけ工事なしで整えたいならホームルーターが手軽です。番号を残したい人は、引き継ぎ条件を確認してから手続きを進めてください。
工事なしで整えたい実家に
GMOとくとくBBホームWi-Fi
光回線の工事に立ち会えない・設定を簡単にしたい実家向け
- コンセントに挿すだけで使え、開通工事が不要
- 離れて暮らす親の家でも、ネット環境を先に整えやすい
- 固定電話の番号引き継ぎは別途必要。料金・提供条件は必ず公式で確認

